全国大会に出場する場合、その旅費はすべて選手の自己負担となります。
ただし、国体は所属する都道府県が旅費を出してくれますが、
全日本選手権、全日本社会人選手権、全日本女子選手権は
すべて選手の自己負担です。
交通費も宿泊費もすべてです。
ただ、選手が属する団体によっては、
○強豪と称される大学は、大学が旅費を出してくれる。
○大学のボクシング部OB会が寄付を集めてくれる。
○実業団チームを持つ企業の場合、企業が旅費を出してくれる。
○勤務先の会社が宣伝効果があると考えて旅費を出してくれる。
など、バックアップがなされることもあるのですが、
私の場合、
×大学はスポーツにまったく力を入れていない。
×それ以前に既に卒業しているため大学に籍がない。
×OB会は組織されていない。
×会社は退職してしまった。
と何もありませんでした。
全国大会が終わるまでは就職もできないと考えて、
アルバイトでつないでいたのですが、
その給料は当座の家賃その他の生活費をまかなうだけでせいいっぱい、
とても岩手までの旅費を捻出できる余裕はありません。
いろいろと手を考え、消費者金融で借りようかとも考えたのですが、
「サラ金はこわい」とのイメージがあり、どうしても抵抗があり、
銀行等のカードローン等もその当時は全然なく、
クレジットカードも持っておらず、
開催日程がせまったぎりぎりになっても旅費を作れず、
「また来年あらためて挑めばいいんだ」と自分に言い聞かせて
その年の全日本選手権出場をあきらめました。
その時は、その判断は正しいものと思っていました。
その後、あきらめたことを一生涯悔やみ続けることになるとは
その時は夢にも思ってはいませんでした。
( つ づ く )
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