いつもお読み下さり、どうもありがとうございます。
湘南辻堂のアロマ&ハーブスクール
アヤアルケミックスタジオの瓜田綾子です。
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今回は前回書ききれなかったクスノキについての投稿です。
前回の記事はこちら→墓地の植物~【樒(シキミ)】について
本日はそのカンファーについてお伝えしたいと思います。
科名: クスノキ科
種類: 高木
抽出部分: 木部、根、枝
抽出方法: 水蒸気蒸留法
暖地で栽培される変種としてホウショウがあります。
食用となるアボカドや、葉が線香の原料となるタブノキ、樹皮が香辛料などに利用されるシナモンはクスノキの近縁の種です。
ところで、クスノキには楠木(クスノキ)と樟木(クスノキ)とがありますが、
違いをご存知ですか?
楠木とは、中国の四川省にあるタブノキ属の植物で、もともと日本には自生していません。
通常、クスノキという場合は樟木の方をさします。
古来から防虫剤に使用されてきている樟脳は
楠木ではなく樟木からできています。
樟木は、関東南部以西から四国、九州に自生して、アジア、特にボルネオに産することから、樟脳(しょうのう)の別名の起源となっています。
樟脳の別名はカンフル(独語ではカンファー)
このカンフル(カンファー)の正式名称はボルネオン
アロマテラピーインストラクター講座やセラピスト講座でこれを知らないと解けない問題がありますね。
ボルネオンの接尾にオン “one”だからケトン類です
3月インストラクター受験の方ガンバってくださいね~
クスノキは木全体に精油成分を含んでいて、この成分が害虫などに対して抵抗力があるために、多くが巨木に生長します。
日本最大のクスノキは、鹿児島県姶良郡蒲生町の八幡神社の境内のもので、幹の周りが25メートルもあるそうです。
余談ですが
“活性化させる”というような意味合いで使われる
“カンフル(剤)を打つ”
という言葉がありますが、
このカンフルとは樟脳のことで、
防腐剤のほかには医薬品として強心剤に用いられています。
また、局所刺激作用、防腐作用があり、皮膚病の外用薬の軟膏、擦剤、チンキとしても用いられています。
この樟脳…
実は土佐の原産であの三菱の創始者岩崎弥太郎さんが
この樟脳の事業で大成功し(他にも生糸事業など)、
坂本龍馬さんをはじめとする幕末の志士たちを支えたと言われています。
龍馬伝でも度々登場してましたね
それなら樟脳御殿、クスノキ御殿ってあるのかしら…
北海道の北見市にはハッカ御殿がありますし…鰊御殿もね(笑)
【北見市にあるハッカ御殿】
関連記事はこちら→和ハーブ協会北見和ハーブ塾②北見ハッカ記念館
※かなりレイアウトが崩れてしまっているので、見にくくなってしまっております。
ご了承くださいませm(_ _)m
クスノキは、神聖な木として神社の境内に植えられていて、樹齢1千年にもなるものもあって、天然記念物に指定されているものが多くあります。
クスノキ自体に このような薬効があるからなのでしょうか…
また、クスノキは葉の縁が堅く、擦れ合う音が雑音を打ち消し、音の干渉により、街の騒音を消す作用があります。
このため、学校や病院など静かな環境が必要な場所の周りには、クスノキを植え込むと防音効果が期待できるそうです。
ただし、樟脳は、内服すると胃を刺激して食欲減退、嘔吐などの副作用がありますので、外用だけに用います。
かなり脱線してしまいましたが、サフロールのお話でした
天然にはササフラス油やオコチア油、カンファー油(種類による)に存在します。
そしてこのサフロールには発がん性があると言われています。
クスノキの抽出方法は水蒸気蒸留法ですが、
減圧分留により3種に分かれます。
※減圧分留とは…常圧では高い沸点をもつ物質を、減圧により沸点を下げて蒸留する操作で、アロマテラピーの芳香成分の分離などにしばしば利用されます。
温度によって採れる成分が変わるということです。
逆に言えば採りたい成分があれば、温度調節して採油することで、
それも可能ということにもなります。
通常はアロマテラピーなどで使われるものは
ホワイトカンファーと言われるもので、無色から淡い黄色をしています。
分留工程における沸点は一番低く、軽いです。
フレッシュな、鋭くシャープな、しみとおるような、樟脳の香りがします。
ところが、他にもカンファーは減圧分留により、沸点が中くらいのブラウンカンファー、沸点が最も高いイエローカンファー、ブルーカンファーも採油することができます。
ホワイトカンファーには芳香成分として、シネオール、ピネン、テルピネオール、カンファー、ボルネオール、カンフェン、メンソール、チモールなどがありますが、サフロールは含まれていません。
ところが、ホワイト以外のカンファーについては注意が必要です。
【ブラウンカンファー油】
これは少なくとも80%のサフロールを含みます。サフロールはきわめて毒性が強い成分で、発ガン性、神経毒性を有します。
ウサギにおいて、サフロールの最小致死量は10g/kg(経口)。
マウスに胃管注入したケースでは肝臓に発ガンがみられたそうです。
米国では1961年に、サフロールを食品に添加することを禁じています。
他にはテルピネオールなどが含まれます。
【 イエローカンファー油】
ただ、サッサフラス臭が強いですが、あまりオススメできません。
これもアロマテラピーではめったに用いません。
カンファーにはこのように沸点の違いにより
採取される精油の成分に
有毒なものがあるということを覚えておいてくださいね
最後までお読み下さり、どうもありがとうございました。
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