銀座の老舗のタウン誌の編集長の方が
ありがたいことに
暑気払いに「昼飲み」に誘ってくださった。
梅雨の最中でも、真夏さながらの
本日の日中の気温はすでに33度。
まだ高いところから強い日差しを放っている
太陽から顔を背け、湿度の高さで
サウナの中にいるような銀座の雑踏から解放されて、
午後4時すぎのビアホールに身を置けるのは
なんという贅沢だろう。
まだまだ世間の人々は汗水たらして
働いている時間だというのに。
ビアホールは銀座5丁目のライオン。
天井の大きなシャンデリアが目を引く
昭和の高級キャバレーを思わせるようなレトロな内装だ。
(もっとも、本物のキャバレーなんて見たことないけれど💦)
ビアホールだし、そこそこお料理もおいしいし、
ライオンはどこのお店もコスパがとてもいいと思うのだが、
銀座のど真ん中という場所を考えると
ますます割安に思える。
とはいうものの、たっぷり4時間飲み食いして
はたしていくらかかったのかは知らない。
すべてご馳走していただいたので、
私は食い逃げのように店を去っただけ。
そんな楽しい昼飲みの席で、
編集長がポツリとおっしゃった一言が
聞き逃がせなかった。
「以前は外国人の店員さんがいたのに
いつの間にか全員日本人になった」
これは賃金の安い日本から、
外国人労働者がどんどん逃げてしまっている
ということではないか。
失われた30年で、日本は知らぬ間に
先進国の中で最安国になり下がってしまった。
私は2年前に書いたブログのことを思い出した。
それは、内田樹先生が日本の未来を按じて
発言したことを記したもの。
先生は、外国人労働者が他所の国にとられて、
日本に来なくなることを懸念しておられた。
それがたった2年前、
今まさに現実になろうとしているのか。
そんなことを考えながらも、
蒸し暑さに弱る体に
冷えたビールが染み渡った。
こんなところで
私がおいしい思いをさせてもらえるのも
安い賃金でも日本の労働者がまじめに
働いてくれているおかげである。
私だってホテルの飲食のバイトを
したことがある。
いつかそんな人達の給料がうんと上がって、
豊かに暮らせる日本になることを
願ってやまない。