東京の住宅街に住んでいると、
ゴールデンウィーク中のいつもと違う静けさは
本当に何にも変えがたいものだと思える。
往来を通る車の騒音が減り、
ときに音が消える瞬間すらある、落ち着けるひととき。
朝などは、騒音が小さい分、
鳥のさえずりが美しく際立って聞こえたりする。
もっとも日にもよるだろう。
平成から令和にまたがる今年は10連休なので、
2度ほど静けさのピークの日があるかもしれない。
騒音のほうがさほど変わらないとしても、
ゴールデンウィークは
自宅でゆったりと過ごすに限ると思うのである。
安らぎを求める休日ならば、
なにもわざわざ人混みの中にでかけていく必要はないだろう。
比較的閑静な住宅街の一軒家に住んでいて、
そして、家の周囲の緑が眺められる窓があるという
幸運に恵まれているならば、その部屋でぜひ、
ショパンなどのゆったりとしたピアノ曲のCDをかけたい。
その美しいクラシックの音色を聴きながら
そよ風が揺らす眩しいばかりの新緑を目でも楽しむ。
なんと優雅な時間であることだろう。
緑とピアノ曲が極上の美のハーモニーを生み出す。
東山魁夷の森の絵に見とれていると
頭の中で自然にピアノ曲が奏でられるがごとくに。
とは言うものの、
長期の連休ではあるので、もちろん外出も楽しみたい。
何しろ新緑がキラキラ輝く、
1年でもっとも美しい季節なのだから。
この黄金週間の時期だからこその利点は、
東京などの大都市は、
人々が激減して、心穏やかに過ごせる場所が
無数に出現するということだ。
東京は細かな緑がいたるところに配置された
美しいデザインの都市である。
モダン建築の中に緑が見事に融合している。
観光客が多く集まるところさえ避ければ、
静かで落ち着ける穴場スポットはたくさんある。
例えばこの期間中はこつ然と人が消えたようになる
オフィス街に点在する憩いの場所、
オープンテラスが心地よいカフェやレストランは
間違いなく穴場だ。
私はそんなお気に入りの場所をいくつも知っている。
当然のことながら秘密であるが。
ゴールデンウィークにあえて東京を出ないのならば、
自分なりのくつろいで過ごせるお気に入りの場所を
探すのも、東京の密かな楽しみになるかもしれない。
I LOVE TOKYO
例えば東京のウォーターフロントをのんびりお散歩