白い洋窓を下から上に押し上げて、風を入れる。
新緑をわたってきた風にふわりと包まれて、とても気持ちがいい。
どこに出かけても混雑するゴールデンウィークは、ただ自宅でゆったりと過ごすだけでも、
極上の時間となると私は思うのだ。
お天気のこの日、表のみどりを映してか、室内はいっそう明るく感じられる。
老眼が進んだ目にはありがたい。
日頃読もうと思いながらたまっていた本を、リビングのソファーに運びこむ。
ここでお気に入りの音楽をかけるのもありだが、
今日は爽やかな自然のBGMのままがいちばんいい。
サワサワと木々が風にそよぐ音が、なんとも耳に心地良いのだから。
そして、時折、鶯などの鳥の鳴き声も響いてくる。
少し離れた大表通りの交通量もずいぶんと少ない様子。
車の通過する音は時々聞こえるだけ。
ここ、郊外の住宅地はいつもよりずっと静かだ。
さて、肌で季節を感じ、新緑と風に目も耳も刺激されたなら、
あとは嗅覚と味覚で味わうべく、大好きなお茶でも入れようか。
ストロベリーとバニラをミックスしたフレーバーティーの甘い香りとともに、
私の休日の満たされた時は流れていく……。
あーー、完璧。