浄霊   寂しかった「霊」さん 安らかに


今からの物語は 、「流川」の夜のお店、 ある「スタンドバー」での出来事である 。

広島の夜の遊び場といえば 流川 、広島駅から宮島方面へ、 市内を走る電車に乗って約10分 。「三越デパート」のすぐ前 、繁華街の入り口に電車の停留所、「八丁堀」がある 。

その八丁堀から 南北に伸びる通りを「流川通り」と呼び、その通りに 面して 隙間なくビルが林立している 。

又 、昼間はともかく、夕暮れともなれば「 クラブや バー」のネオンサインがきらびやかな赤い灯、青い灯を灯し 「歓楽街」へと、周囲の様相が一変するのである 。

さて、その流川の近くに居住し 、以前から私のところに治療に来られている武道の大先生がおられます。


その道では、日本国内でも 「5指」に数えられる ほどの達人なのです。

私も若い頃 「空手」を少しかじったこともあり、 その先生とは 親しくさせていただき ました。

そして、先生の「一番弟子」とも言える人にも 、仕事の関係で付き合いがありました 。

また、先生と一緒に海外に、私たち二人は、おともで ついて行ったこともありました。

ある日のことです 。

その先生から 、「流川」で 小さなスナックバーを経営している 、先生の知っているママが 、「ぎっくり腰」で 痛くて大変困っている、治療を、お願いしたいと電話がありました 。

私は、それを聞くと、ぎっくり腰は出来るだけ早く治療した方がいいと言い、すぐ来てもらいました。

そして、そのママが 2、3度治療に来られた時の事です 。

「お店をお祓いしたいのですが 、どこの誰に、お願いしてよいやらわからない、 どなたか、お祓いしてくれる人(寺院)を知りませんか」と私に 聞いてきました 。

私は「なぜお祓いが必要なの」とママに聞いたのです 。

すると店の「霊」をお祓いして欲しいと 言うのです 。

私自身、「霊」を見たこともあれば、  それらしきを「除霊」したこともあります。(城趾物語、私のブログ参照)

ある日のことでした 。

私の治療院に30代の女性の方が「 こんにちは」と声を掛け入り口のガラス戸を開けて入ってきました 。

二人で来られたのです 。

先に入ってきた人は 、時々、治療に来られている知った顔の人でした 。

その人から2メートルくらい後ろについて 入って来た人は、初めて見る人でした 。

私はその時は 、他の患者さんを治療中だったので 、その女性2人に 、待合のソファーで座ってもらうよう声をかけ、 少し待ってくださいね。と言いました。

さて、それから数分後 、「お待たせしました」。と声をかけたところ 、ソファーには1人しか座っていません 。

私は、あれ!と思いながら、 もう一人の方は「トイレ」でも行かれたと思い、「一緒に来られた連れの方は」と、その人に聞いたのです。

すると先生、「今日は私ひとりですよ」と、不審な顔 をしながら、言うのです。

それを聞くと私の方がびっくりしました。

赤い服を着た、同年代のスラリとした女性が、その人のすぐ後ろに一緒についてきたのが見えたのです。

きっと、治療に来られた人に ついてきた霊だったのでしょう、私はその人に 「今日はどうされましたかと 」聞きました 。

すると重いものを持ったわけでもないのに 、今朝方から急に肩から背中が重苦しい、と言うのです。

私はそれを聞くと、その人のすぐ後ろから一緒についてきた、私が見た赤い服の女性の霊がにいたずらしているのではないかと思い、私は心を込めて肩から背中にかけて治療しました。(霊のお祓いをこめて)

さて、それから20分くらい過ぎたでしょうか、その人の背中から 、急に力が抜け、体が軽くなったのが私の両手に伝わってきました 。

私は ベッドから降りてもらうと 、肩、背中の治療後の体の状態をその人から聞いたのです。

すると 肩が上がる 、嘘みたいに背中が軽くなったと、言うのでした。

その女性はその後、何度か治療に来られましたが 、あれ以来、肩は全く異常がないと喜んでおられたのです 。

私は宗教に固執することなく、 宗派を超え「 無信仰者」ですが、 今まで「 霊」も見ました。又、「霊」を感じた事も何度か体験しました。

だから 霊が後ろからついてくるという、現在の科学では解明できない「不思議な現象」霊魂、の存在は信じているのです。(私のブログ、天界からのメッセージ参照)。

さて、話しが少し横道にそれました 。

10数年前のことです。

真言宗の総本山「高野山」で 修行し、 九州は鹿児島の吉松町(旧名)にあり、古い由緒ある寺院を再興した「 般若寺」の僧侶に、 あることで縁があり、広島まで来てもらい、霊の お祓いを頼んだことがありました。

だから、真言宗の寺院の僧侶なら誰でも、「お祓い」は、やってくれるのではと、ママに言ったのです。

そして 、お祓いをして欲しいという「霊」の詳しい話をママから聞いたのです。

すると、そこのお店の休憩室で、女の「すすり泣く」ような声が聞こえるというのです。

その店にはホステスさんが日替わりのシフトで 3人 おり、その中の 一人のホステスさんが 霊感の強い人で、他の人には聞こえないのに、その人だけに 声が聞こえると言うのです。

怖くはないが悲しげな声が耳に響き、 なんとなく気が滅入ると!。

その話しを聞いた私は 、「それくらいの除霊なら、私でも出来るかもしれないよ」と言い 「私でよければ行ってあげようか」と言いました。

丁度一年前に、熊野のパチンコ屋さんまで行き 、頼まれて同じような除霊をしてあげ、大変喜ばれたことがあったのです。

さて、その日の 夕方、7時過ぎのこと、私は そのお店に行きました。

流川通りの、少し外れのビル、その2階の一角がママのお店でした。

店の中は 15人ほど座れるカウンターがあり、その奥に、 調理室とホステスさんの休憩室を兼ねた 、四畳半くらいの広さの部屋がありました。

その部屋には 明かり取りでしょうか、 小さな窓が一つありました。

その窓を開ければ、隣りの ビルとの間は、手が届くほどの隙間しかありません。

さて 、その部屋に 入った時の事です。

女性の「 すすり泣く」ような声が 私の 耳に聞こえてきたのです。

ああ!この寂しそうな声のことだなと思いました。

私はその時、この霊は、悪いいたずらはしない、ただ一人で寂しいだけの、かわいそうな霊だなと心の中で思ったのです。

だが 、一緒にいたママと、その店のマネージャーには 、その、すすり泣く様な声は聞こえないと言うのです。

私はママに、この部屋で 以前 何か変わったことはなかったか、聞いてみました。

すると、隣接した隣のビルの2階、ちょうどこの部屋の窓のある向かいの部屋で、若い女性が 世をはかなんで「自殺」したと言うのです 。

約、2年前の事だったそうです。

私はその話を聞くと 、その霊がこの部屋に来て、寂しくて 悲しんでいるのだと思いました。

私は その霊をお祓いするため、お清め塩と、お線香、そして、お神酒を用意するように言い、若い女の子が好きな、甘いお菓子、果物等を買ってくるように 言いました 。

するとマネージャーがすぐ近所のコンビニに 買いに走ったのです 。

さて、私は霊のお祓いをするべく、その部屋の隅にあった テーブルを部屋のまん中に移動させ、その上に お菓子や、果物等を、置いた時の事です。

300ml入った、お神酒の瓶の 蓋を取り、テーブルの上に置き、お線香に火をつけ、香を焚こうとしていた時でした。

そのお神酒の瓶が、ガタガタと 地震の様な横揺れをすると 、私の足元に 落ちてきたのです 。

そして落ちてきたそのガラスの瓶は、 横に転がったかと思うと、また、まっすぐに すっと立ったのです 。

不思議なことに お神酒は1滴も溢れていないのです。

この状況を見ていたママと、マネージャーはびっくりしました。

一度、転げ 落ちた瓶が足元で又、まっすぐ立つことは まず考えられません。まして中のお酒は1滴も溢れていないのですから。

それを見ると私は、隣のビルの女の子の「霊」が、供養してもらえるのが嬉しくて私たちに、考えられない「霊的な現象」を見せてくれたのだと思い、懇ろに浄霊をしてあげたのです  。

さて、それから2、3日が過ぎた日のことです。

ママが 私の所に治療に来てくれました。

そして不思議なことに、半年も1年も来なかったお客さんが たくさん顔を見せてくれ、お店は いっぱいになっていると言うのです。

それを聞くと、私は隣のビルで、一人、寂しかった女の子の霊が、供養してもらえた事が嬉しくて、ママのお店にお客さんを呼んでくれたのだと思い、ママ、「供養してよかったね」、と、言ってあげたのです。

その後 、すすり泣くような声は 、聞こえることもなくなったそうです。

そして、霊感の強いホステスさんも安心して、笑顔でお店の勤めに頑張ったそうです 。

今はそのお店はありません。

その後、紹介してくれた 先生の話では、 繁盛していたお店をたたみ、鳥取の実家の方に 喜んで 帰えられたということを聞きました 。

私もその話しを聞くと、 女の子の「霊」を 浄霊してあげて良かったと 、心から思った次第です。

                  


                 完。