この本、読み終わりました~
子ども食堂でボランティアをしている2人の女性の母の美智子、
その第一子の知歌は映画監督の男性と不倫をしていて、
その第二子ひかりは夫が不倫をしているので苦しんでいる。
もともと美智子の夫、淳哉は学生時代からの友人ヨウと事実婚関係にあり(ヨウは実は男性だと、最後のほうでわかる)、ヨウがスタイリストをしている女優青子の夫の映画監督関戸と知歌は不倫関係にある。
美智子の娘のひかりの夫直也は、美智子がボランティアをする子ども食堂にいつも食事食べにくる茉莉の母(シングルマザー)と不倫をしている。
というように、狭い関係性の中で、不倫関係が(同性間も含めて)3つあり、頑なに夫を別れない美智子を中心に話が展開していました。
美智子は良い母親で、嫌な印象は受けませんでしたが。古いタイプの母親だったかもしれません。
それぞれの立場からの考えや感じ方、色々な愛の形がつぶさに見事に描かれていたと思いましたが、とにかく細かい節に分かれ過ぎているのと、狭い世界で話がつながり過ぎているなぁとは思いました。
でもひとりひとりの登場人物は(直也以外)、好感が持てました。
先がどうなるのかどうなるのか、どう繋がるのかどう繋がるのかと気にはなりましたし、面白くて長編を読ませる腕はあると思いましたけど、これと言って感銘を受けた箇所は特にはありませんでした。
根気強く最後まで長編を読んだ自分を褒めてあげたい、というところか(笑)。
前作のほうが良かったです。前作は人間の綺麗な部分をウワバミだけさらったような感じの印象があるので、もっとドロドロした部分まで掘り下げて書きたかったのかな~と思いましたが、それでもまだちょっと表面的な気はしました。
こちら前作で処女作です。オシャレな連作短編集です。
こういうのを書く人が、こういう家族の不倫ものも書くんだ~って意外ではありましたけど、作品中に出てくるすごく垢抜けている女優さんとスタイリストさんが、前作をちょっと彷彿とさせる感じではありました。
まぁ前作のような作品を期待していたので、違うテイストだったことにちょっとガッカリはしましたが、まぁ読了できたので良かったとします。
久しぶりに恋愛小説を読んだ気もします。
夜分に失礼しました。
長文お付き合い頂き、ありがとうございました