「スナックちどり」 by よしもとばなな | Luch Kolorita

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創作メモ と 「お気に入り」の日々





こんな写真を見ると、日本かなと思ってしまいますね。^^

こちらでも野の花は逞しく咲いていますよ。ただ、日本の子のほうが少し元気がいいように思います。たぶん日光の量が違うからじゃないかな。


今日は、よしもとばななさん著 「スナックちどり」 について少しだけ。

出発前、ある方にイギリス行きを告げると、「そういえば、 「スナックちどり」 の舞台がイギリスだったな・・・」 とポツリ。

こちらへ来てから思い出し、妙に気になってKindleで買って読んでみました。


舞台はイギリス南西端、ペンザンス。私のいるところからそれほど遠くないところでした。

心にぽっかり穴が空いた従姉妹二人の静かな数日が描かれています。もう少し行けば、イギリス最南端のランズエンド(地の果て)。そこへ続く海を前にして、彼女たちの心が揺れて動きます。

二人が近くにいるような感じがして・・・その姿に自分が重なったり離れたりしながら・・・。引っ越して間もない夜、薄暗いオレンジ色の光の下でページをめくりました。


ちどりが言います。

「遠くに来ると、自分がひとりだってよくわかるね」


数週間前。慣れない土地で、何をどこでどう感じていいのか分からずもどかしかったあの時期。この本を読み終えて、やっと片足が地面に着いた気がしました。

はじまりの一冊です。