「なんらかの事情」 by 岸本佐知子 | Luch Kolorita

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創作メモ と 「お気に入り」の日々




最近、スゴい本によく出くわすのですが、この本・・・面白すぎです。^^

岸本佐知子さんの 「なんらかの事情」。

もちろん好みがありますから、面白くないと感じられる方もいらっしゃるかもしれませんが、私にはストライクでした。^^


読みやすいエッセイ集で、それぞれが3~4ページからなる作品が収められています。

テーマは身の回りの物。筆者の思考と妄想が入り混じった痛快なエッセイです。ショートショートの要素も多分にあります。

最初から最後まで岸本節が炸裂です。^^

例えば 「物言う物」。という作品。



このあいだ、デパートのトイレに入ったら便器がしゃべった。
「このトイレは、自動水洗です」
(中略)
だからどうだというのか。勝手に水を流すなということか。それとも単なる自慢か。



この数行で笑った人は、どうか読んでみてください。

「ハハハ」 じゃなくて、思わず 「ヒャヒャヒャ」 って笑ってしまう作品が詰まっています。

この他、私が特に気に入ったのは、「レモンの気持ち」、「おめでとう、元気で」、「やぼう」 という作品です。

面白いだけじゃないですよ。鋭くて、的確で、上手いんです。

ぜひ一度。ドキドキ