以前、"バイオリン大好きさん" のブログ(→ )で紹介されていて、読んでみたい!!!と思っていた本をやっと読むことができました。
ギドン・クレーメル 「 琴線の触れ合い」。
クレーメルは私の大好きな音楽家の一人です。彼の弾くピアソラを聴いて惹かれました。
そんな彼の綴るエッセイ集。具体的な様々な音楽家との交流をもとに、彼の音楽や人生に対する想いが語られています。
紹介されている一つ一つのエピソードも面白かったのですが、それよりも彼の文筆家としての才能と、透けて見える彼の人生観のようなものに引きつけられました。
序論部分で、人生をジェットコースターにたとえる彼はこう言います。
「コースターはスピードを上げていく。かと思うと急ブレーキをかけて止まる。周囲は静まり返っている。次の角にはまた何かが待ち受けていそうな気配・・・。止まるかと思った心臓はまだ鼓動を伝えている。泣くものかと、ときどき微笑み返してやる。」
そして、グールドとの出会いを綴った章の最後では、こうつぶやきます。
「・・・生涯の密度の濃さは各自に責任がある。」
出会えて良かった言葉の数々がありました。