「悪人正機」 by 吉本隆明 | Luch Kolorita

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先日、戦後の言論界をリードした思想家、吉本隆明さんがお亡くなりになりました。

彼には、「共同幻想論」をはじめとする多数の著作がありますが、難解なものも多く、私たちの世代ではなじみが薄いかもしれません。

私も学生時代には何冊か読みましたが、恥ずかしながら理解に苦しみ、途中で投げ出した本もあります。

でも、まったく彼の著作に触れたことがないという方、思想や哲学に興味がないといわれる方にも、お勧めできる本があります。

悪人正機 」という本です。糸井重里さんを聞き手に、吉本さんが色々な問題について語っています。テーマは、私たちの身近なもの。「生きるってなんだ?」、「友達ってなんだ?」、「挫折ってなんだ?」・・・等々。力まずに読めますので、興味のある方は是非お手にとってみてください。



加藤周一さん、司馬遼太郎さん、そして吉本隆明さん・・・。戦争を体験し、戦後の思想界を生き抜いてきた方たちがいなくなってゆくことを、最近とても "心細く" 感じます。これは20代の時には無かった感覚です。

目を背けたままでいけるなら、それでもいいのでは? という考えが打ち砕かれ、その何かに向き合わなければならなくなった時、彼らの意見が必要な気がします。



時間をとって、吉本さんの著作を読み直してみようと思います。以前よりは、もう少し自分の肌に近いところで、彼の言葉を感じることができるかもしれません。