「小澤征爾さんと、音楽について話をする」 | Luch Kolorita

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先日、小澤征爾さんが一年間休養することを発表されました。

私は残念ながら、彼が指揮するオーケストラのコンサートへは行ったことがありません。

これまで、交響曲や協奏曲というものよりは、もう少し規模の小さいものや、ソロの演奏を好んできたせいもあります。

彼の演奏する姿を映像でじっくり見たのは、「ニューイヤー・コンサート2002 小澤征爾指揮、ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団 [DVD]」 が初めてでした。その姿に感動して以来、直接コンサートへ行く機会をうかがっているのですが、まだ実現していません。


小澤征爾さんと村上春樹さんの対談をまとめた、「小澤征爾さんと、音楽について話をする」という本があります。

単に"通"や"愛好家"という言葉では済ませられない、音楽に対する造形の深さを持つ村上春樹さんだからこそ成立したインタビューであり、日の目を見た書籍だと思います。

読めば、小澤征爾さんという人がどのように音楽と向き合っているか、指揮者としての仕事とどう向き合っているか、音楽をどのように感じているか・・・という部分が "なんとなく" 掴めてきます。

"なんとなく"、というのは、彼自身がそれを言葉にする段階でかなり苦労しているのが伝わってくるからです。おそらく、彼の感覚や思いというものは、言葉で明確に表現することが難しく、彼自身も言葉に置き換えるという作業を必要とせずに、これまでやってこられたのではないかと思うのです。

でも、村上さんが質問をうまくフォーカスさせていく過程で、マエストロも懸命に言葉を紡いでいきます。


指揮者小澤征爾に興味がある方、あるいは、ベートーベン、ブラームス、マーラーがお好きな方は、一度読まれてみると面白いと思います。

小澤さんの復活を心待ちにしています。ドキドキ