恋戦配信終了間近!につき、30分で書きあげる短編を書いてみました!
お次は家盛さんでごんす。長かった。
場面は家盛本編のエピあたりからの設定よ。
いつも通り寛大な心の方のみお読みください。
***
屋敷の廊下を歩いていると背後から声がした。
瑠璃「家盛さん」
愛しい人の声に俺はすぐに振り返る。
家盛「瑠璃さん?」
当然、笑顔の瑠璃さんが俺の方へ向かってくると思っていた。
けれども飛び込んできたのは別のこと。
清盛「瑠璃」
兄貴に呼ばれた瑠璃さんが振り返っているのが見てとれた。
瑠璃「あ、清盛さん」
清盛「耳を貸せ」
兄貴が瑠璃さんに何かを耳打ちし、瑠璃さんの頬が赤くなる。
そして俺の視線に気づいた瑠璃さんがなぜだか気まずそうな顔をした。
何事かと思い兄貴を見やると、あいつは瑠璃さんの肩越しににやりと俺にむかって笑ったのだった。
***
夕餉の刻になった。
朝、昼、夕の食事を作るのは俺と瑠璃さんの務めのひとつ。
けれども昼間のことがあり、なんとなく瑠璃さんとはぎくしゃくしたままだった。
いつものように八雲さんが楽しそうに話しをしている。
瑠璃さんもそれを聞き微笑んでいる。
家盛「(やはり瑠璃さんの笑顔は素敵だ)」
そんなことを思いながら味噌汁をすすっていると、
清盛「瑠璃」
瑠璃「はい?」
清盛「ん」
兄貴が瑠璃さんに空になった茶碗をよこした。
瑠璃「おかわりですね?」
言いながら腰をあげる瑠璃さんだったが
家盛「おい」
清盛「なんだよ」
家盛「2杯目の飯くらい自分で盛れ」
清盛「別にいいだろ?櫃が瑠璃の隣にあるんだからよ」
見るとたしかにお櫃は瑠璃さんの横にある。
家盛「だったら自分で来ればいいことだろう」
清盛「家盛、まったく心が狭い男だな」
家盛「なっ」
瑠璃「あの、家盛さん。大丈夫ですよ?私もお世話になっているんですし」
家盛「いや瑠璃さん。瑠璃さんは俺の・・・嫁になる人だろう?世話になっているなんて思わなくていい」
八雲「まあまあ。それならあたしが清盛さんにおかわりを用意しようじゃないの☆これくらいかしら?」
八雲さんが茶碗に飯を山のように形作る。
八雲「さ、どうぞ」
清盛「いや、その半分くらいでいい」
そんな風に、夕餉の際もひと悶着あった。
夕餉の後、先に風呂を済ませた俺は瑠璃さんが戻るのを待っていた。
俺と瑠璃さんはもう部屋を共にしている。
夏のような風が御簾を揺らすと、瑠璃さんが部屋に戻って来た。
瑠璃「昼間は温かいですけど、夜は少し冷えますね」
髪が濡れている瑠璃さんは色っぽくて・・・俺はどこを見て良いのか分からず部屋にあった大根を手にした。
家盛「では瑠璃さん、明日はふろふき大根にでもしようか。やはり煮物は身体をあたためるし、瑠璃さんの身体が冷えたら大変だそうだ。褥も冷えないようにもっと分厚い掛け布を」
瑠璃「い、いえ。そこまで寒いわけでは・・・」
瑠璃「あ」
家盛「どうした瑠璃さん?」
瑠璃「私、清盛さんの所に行かなくちゃ」
家盛「な、なんだと!?」
思わず手にしていた大根を落とす。
瑠璃「先ほど廊下でお会いして、喉が少し痛いと言っていたんです。風邪かもしれないですし、お茶を淹れて行こうと思っていて」
家盛「俺が行く」
瑠璃「え?いえ、大丈夫ですよ?」
家盛「俺が行く」
瑠璃「あ、あの」
家盛「俺が行く」
みたび言うと瑠璃さんは驚きながらも頷いてくれた。
俺は急いで茶を淹れた。
なるべく渋くなるように、けれども色は普段通りになるようにと努力した。
腹ただしいことに茶柱がたっている。
そして茶が冷めないようにすぐさま あいつの部屋へ行く。
御簾を跳ねあげ飛び込んだ。
家盛「どういうことだ!」
清盛「やっぱり来たか」
俺が来ることを分かっていたのか、あいつは書物を読みながらにやにやとしていた。
家盛「茶だ!」
湯呑をドンと置くと、たっていた茶柱が飛んで行った。
清盛「律儀だな。本当に持って来たのかよ」
家盛「!?喉が痛いと言っていたのは」
清盛「それはまあ本当だけどな」
茶をすすると
清盛「渋っ」
そう言って顔をしかめた。
家盛「瑠璃さんを勝手に使うのはやめてもらおうか」
清盛「使う?別に瑠璃が茶を淹れて来るって言っていただけだけどな」
家盛「瑠璃さんは俺の・・・妻に・・・なる人だ」
清盛「そんなことは知っている」
家盛「ここではっきり言っておく」
俺は腹に力をこめた。
家盛「瑠璃さんにちょっかい出すんじゃない」
怒気が籠っていたように思う。
けれどもこいつは途端に笑いだした。
清盛「な、何がおかしい!!」
俺がそう言うも、笑いは止まらない。
清盛「あー、悪かったな。笑っちまって」
ちっとも悪いと思っていないところが腹ただしい。
家盛「いいか、今後瑠璃さんに手を出すような真似をしたらただじゃおかん」
清盛「まあ聞けよ。俺は別に瑠璃に手なんか出してないぜ?」
家盛「出しているだろう!現に今日の昼間も廊下で瑠璃さんに何を話した!」
昼間の瑠璃さんへの囁き。
耳にこいつの唇が近づいただけでも嫌な気持ちになるのに、さらに瑠璃さんが真っ赤になっていた。
これが手を出してないと言って誰が信じるものか。
清盛「あれはな、こう言ったんだ」
―――瑠璃
―――あ、清盛さん
―――耳を貸せ
―――お前と家盛はこっちが見ていると恥ずかしいくらいに幸せそうだな
清盛「って言ったんだよ」
こいつの耳打ちのあと、瑠璃さんは顔を真っ赤にしていて・・・。
夕餉を作る際にも、ぎくしゃくしていて・・・。
家盛「それだけか?」
清盛「それだけだ」
清盛「まー、何を勘違いしたのか、夕餉のときにもお前は俺に噛みついて来たな」
家盛「そ、それは飯くらい自分で」
清盛「別に瑠璃が飯を盛るなんていつもやっていることだろうに」
そ、そうだったか?
そうだっただろうか?
俺が考えていると、また茶をすする音がする。
清盛「お前の淹れた茶は渋いな。やっぱり寝る前は瑠璃の淹れた茶の方がうまい」
家盛「・・・・・・。」
言われた言葉の違和感。
何かがおかしい。
俺の淹れた茶は渋くて、瑠璃さんの淹れた茶はうまくて・・・。
いや、そこじゃない。
・・・寝る前は・・・。
―――寝る前は?
家盛「おい!!」
清盛「なんだよ」
俺が言うとこいつはにやにやと笑いはじめた。
今から俺が言おうとしていることが分かっているようだった。
家盛「お前まさか、寝る前に瑠璃さんに茶を淹れさせたことがあるな!?」
清盛「別にいいだろ?そんときはまだお前のもんでもなかったし」
清盛「あ、」
清盛「今もまだ、祝言をあげていないからお前のもんでもないか?」
にやつくこいつの言葉に俺の怒りは頂点に達した。
家盛「いいかげんにしろ!瑠璃さんは俺のものだ!今も昔もこれからもずっとだ!!」
俺の叫びにこいつは耳を塞いで凌いでいたが、それでも聞きとれたらしく
清盛「わかったわかった」
と、笑い顔で のたまった。
腹を立てながらどすどすと部屋に戻ると、褥に顔を突っ伏している瑠璃さんがいた。
家盛「ど、どうしたんだ瑠璃さん!?具合でも悪いのか!?」
瑠璃「・・・いえ」
家盛「ならどうして・・・」
瑠璃「家盛さん・・・あの・・・」
顔を真っ赤にした瑠璃さんはか細い声で言った。
瑠璃「私は・・・その・・・家盛さんのものですが・・・」
家盛「・・・・・・っ。」
瑠璃「先ほどそういった叫び声がこの部屋にまで届いて来て・・・」
家盛「・・・え?」
俺があいつに向かって言った言葉は瑠璃さんの耳にも届いていた。
それは、つまり・・・。
瑠璃「たぶん、お屋敷中に響いていますよ・・・」
家盛「・・・(°Д°)」
瑠璃「お屋敷中に・・・」
家盛「(//// °Д°////)」
完 ←エエー
***
弟いじめは兄貴の特権。というおはなし。
清盛さんは家盛さん大好きで、ヒロイン使ってからかうのが好きだったらいいなー。
本編エピは大好きです。
お次は家盛さんでごんす。長かった。
場面は家盛本編のエピあたりからの設定よ。
いつも通り寛大な心の方のみお読みください。
***
屋敷の廊下を歩いていると背後から声がした。
瑠璃「家盛さん」
愛しい人の声に俺はすぐに振り返る。
家盛「瑠璃さん?」
当然、笑顔の瑠璃さんが俺の方へ向かってくると思っていた。
けれども飛び込んできたのは別のこと。
清盛「瑠璃」
兄貴に呼ばれた瑠璃さんが振り返っているのが見てとれた。
瑠璃「あ、清盛さん」
清盛「耳を貸せ」
兄貴が瑠璃さんに何かを耳打ちし、瑠璃さんの頬が赤くなる。
そして俺の視線に気づいた瑠璃さんがなぜだか気まずそうな顔をした。
何事かと思い兄貴を見やると、あいつは瑠璃さんの肩越しににやりと俺にむかって笑ったのだった。
***
夕餉の刻になった。
朝、昼、夕の食事を作るのは俺と瑠璃さんの務めのひとつ。
けれども昼間のことがあり、なんとなく瑠璃さんとはぎくしゃくしたままだった。
いつものように八雲さんが楽しそうに話しをしている。
瑠璃さんもそれを聞き微笑んでいる。
家盛「(やはり瑠璃さんの笑顔は素敵だ)」
そんなことを思いながら味噌汁をすすっていると、
清盛「瑠璃」
瑠璃「はい?」
清盛「ん」
兄貴が瑠璃さんに空になった茶碗をよこした。
瑠璃「おかわりですね?」
言いながら腰をあげる瑠璃さんだったが
家盛「おい」
清盛「なんだよ」
家盛「2杯目の飯くらい自分で盛れ」
清盛「別にいいだろ?櫃が瑠璃の隣にあるんだからよ」
見るとたしかにお櫃は瑠璃さんの横にある。
家盛「だったら自分で来ればいいことだろう」
清盛「家盛、まったく心が狭い男だな」
家盛「なっ」
瑠璃「あの、家盛さん。大丈夫ですよ?私もお世話になっているんですし」
家盛「いや瑠璃さん。瑠璃さんは俺の・・・嫁になる人だろう?世話になっているなんて思わなくていい」
八雲「まあまあ。それならあたしが清盛さんにおかわりを用意しようじゃないの☆これくらいかしら?」
八雲さんが茶碗に飯を山のように形作る。
八雲「さ、どうぞ」
清盛「いや、その半分くらいでいい」
そんな風に、夕餉の際もひと悶着あった。
夕餉の後、先に風呂を済ませた俺は瑠璃さんが戻るのを待っていた。
俺と瑠璃さんはもう部屋を共にしている。
夏のような風が御簾を揺らすと、瑠璃さんが部屋に戻って来た。
瑠璃「昼間は温かいですけど、夜は少し冷えますね」
髪が濡れている瑠璃さんは色っぽくて・・・俺はどこを見て良いのか分からず部屋にあった大根を手にした。
家盛「では瑠璃さん、明日はふろふき大根にでもしようか。やはり煮物は身体をあたためるし、瑠璃さんの身体が冷えたら大変だそうだ。褥も冷えないようにもっと分厚い掛け布を」
瑠璃「い、いえ。そこまで寒いわけでは・・・」
瑠璃「あ」
家盛「どうした瑠璃さん?」
瑠璃「私、清盛さんの所に行かなくちゃ」
家盛「な、なんだと!?」
思わず手にしていた大根を落とす。
瑠璃「先ほど廊下でお会いして、喉が少し痛いと言っていたんです。風邪かもしれないですし、お茶を淹れて行こうと思っていて」
家盛「俺が行く」
瑠璃「え?いえ、大丈夫ですよ?」
家盛「俺が行く」
瑠璃「あ、あの」
家盛「俺が行く」
みたび言うと瑠璃さんは驚きながらも頷いてくれた。
俺は急いで茶を淹れた。
なるべく渋くなるように、けれども色は普段通りになるようにと努力した。
腹ただしいことに茶柱がたっている。
そして茶が冷めないようにすぐさま あいつの部屋へ行く。
御簾を跳ねあげ飛び込んだ。
家盛「どういうことだ!」
清盛「やっぱり来たか」
俺が来ることを分かっていたのか、あいつは書物を読みながらにやにやとしていた。
家盛「茶だ!」
湯呑をドンと置くと、たっていた茶柱が飛んで行った。
清盛「律儀だな。本当に持って来たのかよ」
家盛「!?喉が痛いと言っていたのは」
清盛「それはまあ本当だけどな」
茶をすすると
清盛「渋っ」
そう言って顔をしかめた。
家盛「瑠璃さんを勝手に使うのはやめてもらおうか」
清盛「使う?別に瑠璃が茶を淹れて来るって言っていただけだけどな」
家盛「瑠璃さんは俺の・・・妻に・・・なる人だ」
清盛「そんなことは知っている」
家盛「ここではっきり言っておく」
俺は腹に力をこめた。
家盛「瑠璃さんにちょっかい出すんじゃない」
怒気が籠っていたように思う。
けれどもこいつは途端に笑いだした。
清盛「な、何がおかしい!!」
俺がそう言うも、笑いは止まらない。
清盛「あー、悪かったな。笑っちまって」
ちっとも悪いと思っていないところが腹ただしい。
家盛「いいか、今後瑠璃さんに手を出すような真似をしたらただじゃおかん」
清盛「まあ聞けよ。俺は別に瑠璃に手なんか出してないぜ?」
家盛「出しているだろう!現に今日の昼間も廊下で瑠璃さんに何を話した!」
昼間の瑠璃さんへの囁き。
耳にこいつの唇が近づいただけでも嫌な気持ちになるのに、さらに瑠璃さんが真っ赤になっていた。
これが手を出してないと言って誰が信じるものか。
清盛「あれはな、こう言ったんだ」
―――瑠璃
―――あ、清盛さん
―――耳を貸せ
―――お前と家盛はこっちが見ていると恥ずかしいくらいに幸せそうだな
清盛「って言ったんだよ」
こいつの耳打ちのあと、瑠璃さんは顔を真っ赤にしていて・・・。
夕餉を作る際にも、ぎくしゃくしていて・・・。
家盛「それだけか?」
清盛「それだけだ」
清盛「まー、何を勘違いしたのか、夕餉のときにもお前は俺に噛みついて来たな」
家盛「そ、それは飯くらい自分で」
清盛「別に瑠璃が飯を盛るなんていつもやっていることだろうに」
そ、そうだったか?
そうだっただろうか?
俺が考えていると、また茶をすする音がする。
清盛「お前の淹れた茶は渋いな。やっぱり寝る前は瑠璃の淹れた茶の方がうまい」
家盛「・・・・・・。」
言われた言葉の違和感。
何かがおかしい。
俺の淹れた茶は渋くて、瑠璃さんの淹れた茶はうまくて・・・。
いや、そこじゃない。
・・・寝る前は・・・。
―――寝る前は?
家盛「おい!!」
清盛「なんだよ」
俺が言うとこいつはにやにやと笑いはじめた。
今から俺が言おうとしていることが分かっているようだった。
家盛「お前まさか、寝る前に瑠璃さんに茶を淹れさせたことがあるな!?」
清盛「別にいいだろ?そんときはまだお前のもんでもなかったし」
清盛「あ、」
清盛「今もまだ、祝言をあげていないからお前のもんでもないか?」
にやつくこいつの言葉に俺の怒りは頂点に達した。
家盛「いいかげんにしろ!瑠璃さんは俺のものだ!今も昔もこれからもずっとだ!!」
俺の叫びにこいつは耳を塞いで凌いでいたが、それでも聞きとれたらしく
清盛「わかったわかった」
と、笑い顔で のたまった。
腹を立てながらどすどすと部屋に戻ると、褥に顔を突っ伏している瑠璃さんがいた。
家盛「ど、どうしたんだ瑠璃さん!?具合でも悪いのか!?」
瑠璃「・・・いえ」
家盛「ならどうして・・・」
瑠璃「家盛さん・・・あの・・・」
顔を真っ赤にした瑠璃さんはか細い声で言った。
瑠璃「私は・・・その・・・家盛さんのものですが・・・」
家盛「・・・・・・っ。」
瑠璃「先ほどそういった叫び声がこの部屋にまで届いて来て・・・」
家盛「・・・え?」
俺があいつに向かって言った言葉は瑠璃さんの耳にも届いていた。
それは、つまり・・・。
瑠璃「たぶん、お屋敷中に響いていますよ・・・」
家盛「・・・(°Д°)」
瑠璃「お屋敷中に・・・」
家盛「(//// °Д°////)」
完 ←エエー
***
弟いじめは兄貴の特権。というおはなし。
清盛さんは家盛さん大好きで、ヒロイン使ってからかうのが好きだったらいいなー。
本編エピは大好きです。