特に気になった方を順不同・敬称略で
出演者別に少し語らせていただきます
と言いながら、まずは演出について
演出:谷 貴矢
この作品はとにかく演出も秀逸だったと思います
シンプルなドーナツ状の八百屋舞台と
真ん中の平らな部分が階段状に配してあり
セット・道具はシンプルで簡単なだけに
想像力を掻き立てられる空間になっていました
暗転や映像の使い方も実に効果的
映画の役とジミーの境目の無い流れ
作品世界にグイっと引き込まれるようでした
エリア・カザン:紫門 ゆりや
声や口調が初演の同役でらした
未沙のえるさんを思い出させて下さいました
落ち着いた、冷徹にも思える演技で
ディーンの演技の本質を引き出す
まさに名監督といった風格を感じました
エリザベス・テイラー:三空 凜花
上品な大物女優の雰囲気と
ディーンとの良好な関係性の表現が
とても素敵に感じました
話し方・歩き方がとてもキレイ
アイリーン:朝葉 ことの
お歌が素晴らしいですね
またディーンの古くからの良き理解者
良き友人という過去の情景まで描いてる
温かな演技が良かったです
ナタリー・ウッド:初音 夢
ステレオタイプなアメリカンな女の子
登場場面からとても印象的
発声が良く、セリフが気持ち良く感じました
エミリー:凛乃 しづか
セリフの抑揚というかニュアンスが独特で
とても個性を感じる役作り
知的な秘書という感じがぴったりでしたね
ママ・アンジェリ/ケイト:詩希 すみれ
主演コンビ両方のママ役って珍しいのでは
娘役さんですが、音月桂さんを思い出す容姿で
キリッとした表情が美しくて目を惹かれました
ニコラス・レイ:一之瀬 航季
ちょっとクセのある感じが面白かったですね
極美ディーンとの会話のテンポはもちろん
フィナーレでの目配せとか
同期の絆を感じて心強い存在感でした
ベン:希波 らいと
花組さんはまだ誰が誰だか…の状態なんですが
以前から認識させて頂いていた存在です
高身長で押し出しが立派で
若くして成功したハリウッドの顔役という
大物感をしっかり醸し出しておられましたね
余談ですが…
ベルばらは決して観たい演目ではありませんし
正直、絶対に実現してほしくないですが
極美くんがオスカルを演じるとして
星組ではアンドレがいないよな…と思ってましたが
希波くんならいけますね~
(扮装写真だけ見たいだけですがね)
謎の少年:彩葉 ゆめ
役名は「謎の少年」ですが
ディーンの子供時代&心の闇でしょうか
澄み切ったクリスタルボイスで歌う「Sing Song」
時に暖かく、時に不気味に聴こえる
歌の表現力に感動しました
ピア・アンジェリ:美羽 愛
花組で数少ない認識できてた娘役さん
細やかな演技が素敵でした
ディーンに振り回され困惑しながらも
次第に心からの愛をもって接している
でも、大切な家族を大事に思ってもらえない
舞台上での幸せな時間は短いものの
娘役主演としての大きさを感じました
最後に改めて…
ジェームズ・ディーン:極美 慎
ものすごく掴みどころのないキャラ
現実に身近で存在していたら
なんて不安定な精神の持ち主なんだろう
と、持て余すような人物像
でも、役者として整った容姿
卓越した演技と持って生まれたスター性で
関わらずにはいられない魅力
役へののめり込みは
ディーンの過去と重ね合わせ過ぎて
カットがかかっても役が抜けない
(まるで北島マヤ…)
カザン監督も呼びかけるのは
役名であったり、ジミーであったり
この複雑極まりない役どころを
全身全霊で演じるその姿は
ジェームズ・ディーンであり
本物を目指す役者であり…
心から素晴らしい舞台作品を
届けて下さりありがとうと
感謝の気持ちで毎回観劇してました
またベアタもにぎたつも
フィナーレが不完全燃焼だったので
この公演でのガッツリ・フィナーレは
観たかったダンスナンバーが
ぎゅっと詰まっていて嬉しかったです
男役群舞・娘役を引き連れてのダンス
主演コンビとしてのデュエダン
ダンス巧者とはいえなかった極美くんが
花組でセンターで踊っている姿は
まさに夢見た場面の連続でした
その姿がまた未来で実現するよう
応援したいと思います
語りだすと、全出演者語りたくなるほど
回数を重ねて観劇することができたこの作品は
ワタシの観劇人生のなかでも
極めて特別な公演となりました
ふとした瞬間に、劇中音楽が
いまだに頭の中で鳴り響きます
が、今日集合日だったようですので
そろそろ次の大劇場公演に目を向けて
源平について勉強しなくちゃです






















