国立市にあるアトリエ ルーチェ クラッシカのデザイナー・光田みどりです。
昨日は夕方に作業を切り上げて、お友達の和美ちゃんが出演する舞台を観に、表参道の能楽堂に行ってきました。
(2段目の右端の白い衣装が和美ちゃん。お隣の同じ衣装を着ているのがペアのあつこさん)
和美ちゃんと出会ったのは8年くらい前。和美ちゃんが下北沢のお店で働いていた頃、私は下北沢に住んでいて、アメリカンインディアンのイベントに参加したのがきっかけで出会いました。
民族的なものやパワーに惹かれるという共通点があり知り合いましたが、和美ちゃんは大学時代からダンスを志していて、私はハタチから服飾に携わっている。お互いジャンルは違うけれど好きなものは絶対にあきらめない、という点も共通点だったのかも知れません。
二人で会うと、トンチンカン同士でずっと同じ場所をぐるぐる迷っていたりと、あり得ないくらいの方向音痴ですが、感性が近くて何も言わずして通じ合っているみたいに感じる友人です。
鋏仙会能楽研究所で行われた昨日の「羽衣フェスティバル2023」で舞う方々やフェスの目的が「自らの純度を高めること」。
能楽堂という究極にシンプルに研ぎすまれた舞をする場所で舞うために、自分自身を見つめ直すことがテーマになっているなんて、主催された方や出演される方々の志の高さに心が震えました。
創作舞踊や奉納舞のほか海外公演でも定評のある踊りを披露する和美ちゃんが、今回の能楽堂でお披露目したのは、今年の初夏に訪ねた東北の古い古い樹木から着想を得たもの。
樹木から受けたインスピレーションから生まれた舞は、美しく力強く魂に響きました。
そして純白の衣装を身につけて舞う和美ちゃんとあつこさんの美しく力強い踊りを観ていて、ふと気がついたことがありました。
気持ちよく響きわたる太鼓の音に合わせて踊るふたりから、炎のような赤い布が勢いよく立ち昇っていく。
今まで日本女性の美しさは控えめな奥ゆかしさだと思っていましたが、その奥に真の強さとパワーが秘められている赤。その燃えるような真の強さが日本の赤なのでは....と。
着物リメイクの仕事をするようになって、日本の独特の赤が気になっていました。
着物では全く見えない部分に真っ赤な布を使っていたり、ちらりと見えるように効果的に見せていたり。全面的に使うのではなくさりげなく使われていて(世界的に赤は魔除けの色)魔除けの意味があるのかな...とも感じていました。
でも、その謎が解けたようなストンと腑に落ちたような感覚がありました。
押し付けるような強さではなく、内側から湧き上がってくるようなそんな強さが真の女性らしさであり本当の優しさなのだとも感じました。
昨日のフェスでトップバッターを切った和美ちゃんとあつこさんの宝舞風瑠さ登(ホウマイフルサト)さんからのメッセージ
千年の時を越え立ち続ける大木
いったいどんな歴史を見続けてきたのだろう
真っ赤な想いが流れ出し
その魂炎は 地をはい 天をつき 私たちに何を語りかけているのだろう
暗雲立ち込める世の中に
今一度 私たちの中に魂炎の柱を
その想いが、私の魂にもしっかり刻まれて心震え
踊りが終わった後、言葉にならない想いが沸き上がり涙となって流れ落ちました。
そして次々に登場する舞姫たちの踊りや衣装、音楽、演出は本当に多様で美しさに溢れ、まるで踊りを初めて見た子供のような気持ちで驚いたり感激して心が浄化されたような感覚に。
フェスの終了後も観客席の熱気は冷めず、その高揚感に包まれて能楽堂を後にしました。
普段の仕事は手や道具を使いますが、自分自身の体を使って人の心を根こそぎ動かすダンサーさんの表現力って素晴らしい!!そう感じた夜でした。
一夜にして沢山の舞姫たちの踊りを味わい、今朝はとてもクリエイティブな不思議な夢で目が覚めました*
この嬉しさを日々の仕事に繋げ、お客様の喜びに繋がるように私自身も高めていきたい、そう心に決めました。
今日も最後までブログを読んでくださってありがとうございました。