梅干しの名脇役である赤紫蘇(あかじそ)

 

梅の香り高さを損なうことなく、紫蘇の香りが梅の美味しさを引き立てる

 

そんな梅と紫蘇の相性の良さに気づいた先人に敬意を表したくなる組み合わせ。

 

 

紫蘇は、奈良時代に中国から日本へ伝わった植物で、たくさんの葉が生い茂り、繁殖力の強さが有名です。


 

昔の中国の伝説で、食中毒患者の治療に、紫色の赤紫蘇の葉をすりつぶしたものを薬として与えたところ

 

回復する者が続出し、蘇り(よみがえり)の薬草として、紫蘇と名付けられて世に広まったと言われています。

 

 

カリウム・ビタミンE・ビタミンC・カルシウム・鉄・βカロチンが豊富で、そのかぐわしい香りや鮮やかな色だけでなく、高い栄養素。

 

 

紫蘇漬けをせず、梅と塩だけで作る白梅干しは、100年経っても食べられるとのことで

 

 

以前、白梅干しにチャレンジしたこともありますが

梅のフレッシュな味と香りの輝きを保つために紫蘇の存在があることを再認識。

 

栄養価も高まると知って、やはりこの紫蘇漬けの一手間を楽しみにすることにしました。

 

 

 

京都・大原の三千院の山で大切に育てられた赤紫蘇は、京都のお漬物屋さんが名物のしば漬けを作るために栽培されているもの。

 

収穫して丁寧に洗浄され、出荷前に冷蔵されてシャキッとなった状態で届くこだわりの最高品です。

 

 

暮らしの美・スクール 梅干し作りクラスでは

 

収穫されたばかりで届く完熟梅の入荷日の予想ができないため

塩漬けにする下準備を私が行い

 

紫蘇漬けと天日干しを皆さんで楽しむクラスを作りました。

 

まずは、届いたばかりの枝付きの紫蘇の葉を一枚ずつ摘むところから始めます。

 

 

元気な紫蘇の葉につられ、自然と嬉しさがこみあげ、笑顔がこぼれます。

 

 

通常は、このあと、たっぷりのお水を使いしっかり葉を水洗いする作業がありますが、すでにしっかり洗浄されているものなので省略できるのがありがたいです。

 

はじめて取り寄せた時は、そのことを知らずにかなりの時間をかけて洗い、ほとんど汚れがなく水が綺麗なままだったので、すでに洗浄されていることを知って以来そのまま使用しています。

 

 

紫蘇の量の10%の塩を測り、半分に分けます。

 

 

驚くほどの葉の量も塩もみすることで、かさが減ります。

 

 

塩をふり入れて全体にまぶすようにもんで、しんなりさせ、アク汁が出るまでもみます。

(爪に色が着くのが気になる方はポリ手袋をしてください。その時手袋もよく洗うこと)

 

 

両手でぎゅっぎゅっと押すようにして揉み続け、両手できつく絞り

アク汁を捨てます。

 

 

残りの半分の塩で、もう一度、塩もみします。

(この時、紫蘇の葉は水洗いせず、そのまま塩を足します)

 

1回目のアク汁は青紫色・2回目のアク汁は赤紫色になります。

 

 

もう汁が出ないというくらいきつく絞った紫蘇のボール。

ここで水分が残ると、カビの原因になるのでしっかりと絞ります。

 

 

下漬けを終えて十分に漬かった完熟梅。

いよいよ紫蘇の葉の美しい着物をまといます。

 

 

甘い完熟梅の香りと、すーっとする紫蘇の香りが融合して

何とも言えない爽やかな香りが漂います。

 

ホワイトリカーで殺菌した菜箸を使い

丁寧に紫蘇の葉のお布団をかぶせ寝かせます。

 

 

梅が浮き上がってくると、その部分がカビの原因になるので

重しで押さえます。

 

もぎたての完熟梅は皮が薄いこと、たくさんの紫蘇の葉でおおいかぶさったので

今回は、軽いお皿だけで蓋をし、風通しのいいところにおき、時々カビチェックを行います。

 

早くも、綺麗なピンク色に変わってきて、天日干しの日が待ち遠しくなりました。

 

 

2011年の春にはじめてチャレンジした梅干し作り。

 

デリケートな梅を美味しい梅干しにするのは、簡単ではないけど

 

人間のからだにとって様々な効能を発揮してくれる梅干しを作ることは、

 

自然の恵みをからだで感じる最高の喜びです。

 

 

今年の5月に始めたばかりの暮らしの美・スクールで

梅干し作りをスタートできたのは

 

リクエストしてくださったお友達、そしてご参加してくださった方々のおかげです。

 

ものづくりを共有できる喜びを通して

「心が通い合う」という体験ができたことが

自分にとっても一番の喜びでした。

 

昔の人たちは、こういう作業を通して

自然と人、そして人と人の心を通わせ合っていたのだなぁ

 

と感じられたことが大きな収穫でした。

 

そして改めて自然の恵みや

いま生きていること

素材を作ってくださる方や

運搬してくださる方

参加してくださった方

ブログを読んでくださる方にも

感謝しています。

 

 

ありがとうございました!!

またみんなで、元気の出る楽しいものづくりをしたいです。

次回の天日干しは、7月29日(日)です。

 

2018年の梅干し作り(下漬け)の様子はこちらから。

 

 

 

 

 

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