さて、催眠が悪用される一方で、真面目にメスメリズムによる医学的な治療を研究する医師もたくさんいました。
それがジョン・エリオットソンとジェームズ・エスデイルです。
ジョン・エリオットは1830年代後半、磁気麻酔による無痛手術を大学病院で行いました。
この時代、クロロホルムなどの麻酔薬はまだ開発されていませんでした。
Arek SochaによるPixabayからの画像
クロロホルムが誕生する前の手術がどういうものかと言いますと、戸板などに患者を縄で縛りつけ、そして患部をナイフで切り開くのだそうです。
どー考えてもこれは死ぬわ。痛みのあまりショック死しますよ。
メスメリズムを使ったこの手術は非常に画期的なものでしたが、同僚の医師達は彼の行いを認めることなく、病院での磁気麻酔による治療を禁止しました。なんでやねん!!
同じ頃、ジェームズ・エスデイルもインドの病院でメスメリズムによる麻酔手術を行っています。
彼は3000回以上の無痛手術を行って数々の成功を収めました。それまであった50%の死亡率を5%程度に減らしたのです。
しかし彼の行為も医師仲間に認められず、帰国後、彼は裁判にかけられました。なんでやねん!!
45%減の死亡率とか、3000回以上の手術の成功等に眼を向けないあたり、パイオニアに対する男たちの嫉妬としか思えないんですけど?? どーなん???
さて、ここからはAKIKO家のヒストリーです。
第二次世界大戦中、AKIKOの大叔父が盲腸の手術を受ける事になりました。
当時、薬は戦地優先。大叔父は麻酔なしで手術を受けたそうですが・・・。
手術終了、大叔父が悲鳴を抑えるために口にくわえていた手ぬぐいはズタズタになっていたそうです。
この頃、催眠麻酔が使われていれば、大叔父がこんな痛い思いをしなくても済んだのにと思うと、めっちゃ恨めしい。
ちなみに世界で初めて麻酔を使った手術が行われたのは1804年、華岡青洲による乳がん手術です。
欧米では華岡青洲に遅れる事40年後の1842年、アメリカの歯科医ウイリアム・モートンによって抜歯の手術が行われました。
この時の抜歯の手術は麻酔の量が足りず、大失敗に終わったそうです。気の毒にのう……(´・ω・`)