『78枚のカードで占う、いちばんていねいなタロット』(日本文芸社)のシリーズをはじめに
『大和の心で読み解くルノルマンカード』(河出書房新社)を
ご好評いただき、ありがとうございます
ネットなどで散見する表題の件『【タロット】は難しくて【ルノルマン】は簡単なのか?』についてです。
個人的にはどちらも難しくないと思いますし、特別に簡単であるとも思いません。
占いに優劣はなく、それぞれに特色があり、扱う人によって異なるだけでしょう。
「カードを引いて、それを読むだけでいい」ので、確かに簡単ですよね。
でも、どう読むのか。
どのように読み深めることができるのか。
そこを深めようとすればいくらでも深まりますし、深めなければ浅いままで、何となく占って終わりになるでしょう。
引いたカードを読むだけというやり方はシンプルですが、読みを深めていけるかどうかはその人のセンスと熟練度、人間性なども問われます。
タロットとルノルマンでは、ルノルマンが簡単であるとよく言われますが、個人的にはそうは思っていません。
描かれたモチーフのシンプルさはルノルマンで、誰もが知る身近なアイテムだけで構成されています。
とっつきやすいですが、神秘的な印象は少なく、カジュアルでポップな雰囲気かもしれません。
反対に、象徴的な人物やアイテム、風景が描かれ、それらが特定のテーマや概念を意味する寓意画になっているのがタロットです。
ルノルマンよりも細かく複雑に見えるかもしれませんが、だからこそのオカルティックな魅力があり、意味を知ることがゲームのように面白く、ハマる人が多いのではと思います。
絵の要素だけを見れば、タロットが複雑で、ルノルマンは単純であると言えますが、そこから意味を読み解くとなると、どちらが簡単でしょうか。
いろいろ書かれているタロットなら読みやすいけれど、アイテムが1つだけ書かれているルノルマンではイメージもシンプル過ぎて読めないという人もいそうですよね。
逆に、タロットでは何に注目すれば読めるのかがわからず、1つのアイテムだけのルノルマンは迷うことがないという人もいるかもしれません。
という違いはありますが、いずれもやることは同じ。
カードを引いて、それを読むだけです。
使い方にも特徴があります。
タロットは1枚だけで読み切ることも出来ますが、スプレッド展開で各カードを解釈しつつ、最後にまとめて読み解きを仕上げます。
ルノルマンは1枚では微妙というのが個人的な見解(あくまでも個人的ですよ)で、基本は2枚、3枚、さらに多くのカードをつなげながらストーリーを展開して読み解きます。
というように、使い勝手にも違いがあります。
それぞれに魅力があるのです。
また、1枚だけで読み切りたいなら、オラクルカードも強いのではと思います。
すべてのカード占いは、カードを引いて、それを読むだけです。
手軽に引けるので、誰にでも扱いやすいでしょう。
使い勝手がシンプルなので、アレンジもしやすく、自由な発想があれば、いくらでも新しい使い方を編み出せるでしょう。
だたし、どのカードを使ったとしても、どこまで深く読み解けるのかは、読み手の力量次第です。
カードに慣れていて使いこなしているというのは勿論ですが、それだけはムリがあるでしょう。
その人の人生経験や見聞、人間関係といった背景も読み解きに欠かせません。
また、人間観察力も問われると思います。
相手が何を占いたいのか。
口で言っていることがすべてではなく、実は別のところに問題の本質があることもあります。
話を聞いて、カードを展開して読み深めながら、こうしたところを掘り下げていくのが占いなのです。
カード占いのやり方はシンプルで、何カードでも簡単ですが、読み深めるところまでを考えると、結構面倒で大変な作業でもあります。
いつも考えていること、自らの言葉として発していることが、自然と出てしまうのが占いです。
その人の生きる姿勢や考え方がそのまま占いとして出てしまいます。
カードを引くのは簡単でも、しっかり読み深めるには、道具を使いこなすだけでなく、普段からのものごとへの向き合い方やセンス磨きが重要になるでしょう。
ということで、ぜひ、ご自身でカードを手にしてお試しくださいね