文明の力はすごい。
公共交通機関も発展し、かなり遠くまで簡単に行けてしまう。
東海道五十三次の時代は生きていないけれど、そんな時代があったことがウソのようだ。
当時は、自分で歩くか、馬やカゴに乗るしかなかっただろう。
今なら数時間でたどり着ける距離でも、途中で宿に泊まりながら進むしかなかったはずだ。
IT技術も進歩して、どこにいても人と話せて、メッセージを送ることもできる。
便利になった分、生産性を求めて、仕事を詰め込むことが可能になった。
こうした流れが、ものごとのすべてに効率化を求める心を生んでしまったのだろう。
恋愛で失敗したくない。
何度も恋をするのは面倒だから、結婚に直結する人と出会いたい。
そんな声を聞く。
だが、それでいいのだろうか。
恋愛はそもそも、合理的なものではないし、効率化できるものでもないはずだ。
ショートカットで、結果となる「幸せ」を得ようとしても、それは難しいだろう。
一喜一憂したり、ドキドキビクビクしながらも、相手を喜ばせる充実感を得ながら関係を深めていくプロセスは本当に不要なのか。
それでは、「幸せ」と思えるものを得られないのではないだろうか。