呪術や魔術は、何らかの術を施して、ミラクルな夢を叶える魔法と受け止めている方がたくさんいらっしゃるのではと思います。
はじめは、わたしもそう思っていました。
こうした魔力を使えれば、どんな願いでも実現できるとしたら、魔法をマスターすることが万能の手段になるのではと考えることもできます。
でも、本当にそんなことをしている人がいるのか。
遠い昔には、こうした超人的な人がいたのかも?
もしくは、魔法は超能力なのでは?
そんなことを考えていた子供時代があり、そこから魔術や呪術の書籍を手に取るようになりました。
そして、拍子抜けしたのは、魔女の存在でした。
魔女=『奥様は魔女』のサマンサや『魔法使いサリー』のサリーちゃんでしたから、魔女を知るほどに夢が消え、「え⁈ じゃあ、サマンサとサリーちゃんは、やっぱりいないんだ!」という話に。笑
魔女は、自然の力を最大限に生活に活かしながら、ハーブなどを用いて生きるステキな人々で、魔法のバトンでキラキラッと魔法をかけるわけではないのですよね。
ショックを受ける一方で、あとから納得したこともたくさん。
自然と1つになって生きることで、本来の生きものとしての能力が研ぎ澄まされていき、危機的なことを事前に察するようになり、未然に災いを防ぐことが可能になるのではと。
海で仕事をする人が、今日は荒れるとか、山で仕事をする人が、もうすぐ雨が降るなどと、天気予報も確認せずに予知して、自らのキケンを回避したりしますよね。
こうしたセンスが磨かれてしまうのが、自然と1つになることなのではと、個人的に考えています。
また、精神論としての世界観も背景にあり、それを習合した宗教観が含まれるのが、呪術や魔術の世界であることもあります。
ですから、呪術や魔術を行って、何かを叶えたいと思っても、今から頑張って早急に何かができると思うのは甘い考えでしょう。
それをせずに何かを成したいとなると、自己暗示の力で奇跡を促す”おまじない”が妥当なのではと。
1人でこっそり行う儀式(おまじないでも、呪術や魔術などでも)の方が効きやすいのではと、個人的に考えています。
みんなでせーのっと、儀式をしたら、必ず、集中力がもたずに足を引っ張る人が出てきそうで、よほど信頼できる人としか行えない気もします。
それなら、たった1人ででも、ガチで取り組んだ方が効きそうですよね。
精神力を使うので、強靭な意思と集中力が欠かせないと思う術の世界なのです。
2年以上も前のブログ”呪いとわたし”にも、似たようなことを書いていました
ということで、こうした考察なども踏まえて、冷静に呪術の世界を捉えてご紹介した新刊がこちらです。
本書は、辰巳出版で刊行した『「呪術」取り扱い説明書』の文庫版となります。
台湾版『咒術 使用説明書』も翻訳本で出ています
