心と思考は肉体の一部【タロット】×哲学

『78枚のカードで占う、いちばんていねいなタロット』と『リーディングがもっと楽しくなる 78枚で占うタロット読み解きBOOK』と『4週間でマスター！書き込み式 78枚で占うタロットレッスン』をご好評いただき、ありがとうございます。

「タロット」とは直接的に関係のないことではあるものの、占いや精神世界でお仕事をされたり、セッションを受けている方には、とくに重要なのではと思う大発見について書きます。

インドに伝わる『バガヴァッド・ギーター』からの大発見です。

それは、「心と思考は肉体の一部である」ということ。

占いで人気の恋占いですが、ずっと腑に落ちずにいたことがありました。それは、「相手の気持ちを気にし過ぎること」です。自分１人でする恋は、片思いとして完結できますが、相手を求めたり、相手の気持ちを確かめようとすると、そこに苦しみが生まれてしまいますよね。

「恋人」といえば、タロットの「恋人」があります。タロットの解釈では、心地よさ、ときめき、ドキドキ感、現実や時間を忘れてしまうほどの素敵な関係といった、いい状況にある恋愛関係に例えられるようなすべての様子を意味します。

その解釈を、あえて「恋愛」だけで深めてみると、恋をしたあとの苦しみや悲しみ、執着は、恋愛とは別のものになるでしょう。心地よくないものは、「恋人」の解釈に含まれないのです。

つまり、恋愛から生まれるさまざまな感情や考え方は、恋を通じて感じた感覚的なものということになるでしょう。

だからこそ、「相手の気持ち」を知って、一喜一憂することは、あまり意味がないのではと思えるのです。もちろん、自分が想っている人の心が気になるというのは理解できます。でも、自分の気持ちだって変わるかもしれないので、その瞬間の相手の気持ちばかりを気にして、ご機嫌伺いをしたり、嫌われないように頑張るのはどうなのかしらと……。苦しむ一方に傾くと、もうそれはタロットの「恋人」の恋愛ではなく、ただの執着になりますよね。

占いの項目で一番ポピュラーな「恋愛」で例えるとこういう話になるのですが、これを、物理的に解説すると、もっとわかりやすいでしょう。

例えば、痛い、かゆい、苦しい、だるい、辛い、甘い、美味しい、まずい、苦い、寒い、暑い、涼しい、気持ちがいい、気持ちが悪い、きつい、ゆるい……といった、肉体で感じるものがあります。感度は人それぞれだと思うので、痛みに弱い人もいれば、強い人もいるでしょう。痛いと感じたときに、「痛い！　痛い！」と騒ぐ人もいれば、痛いけれど我慢して、騒がない人もいます。

それと同じように、失恋を引きずる人と引きずらない人がいて、失恋してボロボロだと、周囲にアピールする人もいれば、１人で泣くことがあっても、周りにはその姿を見せず、心配させないようにと頑張る人もいるでしょう。

ということなのです。だから、心も、心で感じたことを材料に考える頭の中も、結局は肉体の一部になります。

バガヴァッド・ギーターのトリグナ（３つの性質：人の心や思考を形作る要素といえばいいのかな）は、死んで、肉体から魂が抜け出るときには、肉体と一緒に置いていくことになる（心と思考も肉体とセットで脱ぎ捨てるもの）だそうです。

つまり、肉体にとっての洋服のように、魂にとっての洋服のようなトリグナといえるでしょう。

そう考えると、人の気持ちは実はどうでもいいことであるという、私の持論の説明がつくことになります。といっても、人の気持ちはどうでもいいから蔑ろにしていいということで言っているわけはありません。

こうして、さまざまなことを考察をするときにも、タロットの象徴は役に立ちます。物事を秩序立てて整理するためのツールにもなるのです。

もっと、タロットを知りたい方はぜひ、どうぞ