メキシコでは、生き物が死ぬことで生まれるのが「ドクロ」という発想から、ドクロをキレイにペイントして飾る文化があるそうです。
色とりどりのドクロを飾り、祭壇を作り、命ある人々と亡くなった人々が一緒に楽しむ「死者の日~Day of the Dead」というお祭りが、毎年11月1日と2日に行われます。
日本のお盆に似たニュアンスを持ちながらも、メキシコらしい明るさと彩の骸骨の玩具やお菓子が並び、町中の人が正装し、ドクロのメークを施して踊ります。町全体が一体となって行われるお祭りだそうです。
ところでメキシコといえば、古来、魔術が盛んで、今も魔法グッツを専門に扱う市場があるくらいです。見えない存在や力と共存しながら、苦しい時代を乗り越えてきたメキシコの人々なのでしょう。
大切な人と別れる「死」は、死ぬ人にとっても、残される人にとっても辛く悲しいことです。けれど、どんな人でも死にますし、どんな生き方をしようと、万人に平等に訪れる機会が「死」ですから、死を悲しみ引きずるよりも、次のステージに進むほうが自然でしょう。そんな考え方をしていた私がメキシコに行き、偶然に知った骸骨のお祭り「Day of the Dead」でした。ここでさらに解釈が深まりました! 次に進むためにも、笑顔が必要ですから、みんなでお祭りをして元気になるということなのかもしれませんね。
ところで、命あるすべてのものは、大抵、死を恐れるでしょう。死が近付いたり、身の危機を感じると、信心深くない人ですら神や仏にすがったり、愛する人の名を呼ぶのです。でも考えてみると、生まれる前は、この世にいなかったのですから、この世から消えて、元の鞘に収まるだけと解釈することもできますね。