「The World ~ 世界」の恋愛について掘り下げてみます。

 

達成や完結を意味するタロットの「世界」は、目標に到達したということから、成功という解釈につながります。それなりの成果を収めたという意味合いです。

 

恋愛では、相思相愛、幸せな結婚、といった実りある恋を意味します。相手への尊敬と信頼が生まれる恋でもあり、あなたのことしか見ていませんという幸せな状態でもあります。

 

基本的にはハッピーな「世界」ですが、これもまた、ハッピーに感じられない場合があるのです。相手への不満はないし、好きな気持ちがあるけれど、でもなんがだか違うなという思いが生じているときの「世界」は、「この恋で達するべきところに到達してしまった=もう先はないな」につながるのです。

 

相手への気持ちや、相手の自分への気持ちとしての「世界」は、決して悪いものではありません。けれど、完結したと感じている場合は、幸せだけれど、この先はもうなにもないのだなという、幸せの打ち止め状態に結びついてしまうのです。

 

ですから、「世界」で別れてしまう人もいるのですよね(;'∀')

 

また、自分や相手の気持ちに出る「世界」が、「あなたのことしか見ていません」であった場合、基本的には幸せなはずですが、相手のすべてを受け入れてしまう暖かさが災いを呼ぶこともあります。

 

何をしてもOKサインしかくれず、相談しても、「思ったようにするといいよ!応援しているよ!」という感じで、意見をもらえないことがあるからです。信頼している相手だからこそ、「ダメ!」と言って欲しいところをスルーされてしまうと、「世界」の気持ちを出してくれているけれど、こんな状態では困るんだよね……となってしまいます。勝手に到達されて、そこでコンプリートしてしまった感が否めない状況です。

 

下品な表現になりますが、勝手に昇天してしまった「世界」になると、もう、どうしようもありません……。

 

恋愛の「世界」も、仕事と同様に、どこで達成しているのか? そこで定着していいと思っているのか? が、リーディングの分れ道になります。

 

ちなみに、これらは正位置の解釈ですが、逆位置にも似た意味合いがあります。低次元で成功したと思っていて、それをそのまま維持しようとしていたり、もう先は見えないからおしまいだという、未完成のままの不完全燃焼状態です。

 

読みで難しいのは、正位置の完全燃焼でも終わっているし、逆位置の不完全燃焼でも終わっているということ。本人のモチベーションを確認したり、一緒に出た他のカードとあわせて意味を探るといいでしょう。