占い師として仕事をしている私ですが、今は個人鑑定はしていません。仕事のほとんどが原稿書きです。それが目指すところだったからです。私のような経緯の人のすべてがそうということではないと思いますが、私は自分を占ってもらうことに関心がありません。占い師になる前もなったあとも変わらずです。占い好きな友人の付き合いや、占い稼業を始める際の占い体験として占ってもらったり、霊能者に霊視してもらったこともありますが、感想は「だから何?」ということばかり。

こんなことを書くなんて、占い師の仕事を減らしたいのかと思われてしまうかもしれませんが、そうではありません。必要としない人には必要がなく、必要な人にだけ必要なのが占いだということです。

自分のことは自分でも占いませんが、占い稼業の人間としては占いの検証が必要なので毎日占います。何を占うのかというと、本当にどうでもいいことばかり。どうでもいいけれどどうでもよくなくて、そのときだけはすごく重要で知りたいことを占うのです。

例えば……

雨が降りそうなとき、自分の外出中に雨に降られるかどうかを占います。降らないなら傘を置いていくし、降るなら持って行くと判断できるからです。

季節の変わり目で着ていく服選びが難しいときは、どのくらい着込んだらいいのかどうかを占います。

購入を迷って断念したものが後日に欲しくなってしまったときは、それがまだお店に残っているかどうか? 手に入れられるかどうかを占います。

連絡待ちの人に催促の連絡をすべきかどうかを迷ったときは、このまま放っておいても今日中に連絡がくるかどうかを占います。

……こんな感じです。なので、1日のうちに小刻みに何度も占うことになります。毎回結果がすぐに出るので検証しやすく、一生のサイクルの短いショウジョウバエの実験のように便利です。しかも、今わかったらすごくいいということばかりを占うので、かなり実用的です。

個人の一生を左右するかもしれない結婚や仕事、マイホームの選択や人生のターニングポイントを占ったり、1年を通じてのサイクルを知るために、また、好きな相手の気持ちを知るために占うというのが一般的な占いです。けれど実際にはもっといろいろ占えて、日常生活の中で役立つショウジョウバエ占いが1番便利なのではと思っています。笑

私の場合、自分のターニングポイントも占いません。結果が出る前に結果を知りたくないからです。アスリートが競技前に勝敗や順位を占って最下位と出たら、もう何もしたくなくなるでしょう。だからはじめから自力で動くことにしています。動いて結果が出たあとで検証するというスタイルです。面白いことに、星に素直に動く人間なのだと実感する結果ばかり。悪いことを防ぐという意味では、何かしたほうがいいのかもしれませんが、そこを小刻みなショウジョウバエ占いが補っているのかもしれません。