7階に移ったが、すぐにもっとナースステーションに近い部屋が開いたとの事で、再び病室移動。
慌しい。
退院までここで過ごすことになる。
朝食の出る前に当日の予定が報せられるのだが、今日は午後に透析がありますと告げられた。
ああ、透析する所は遠かったけどあの時は楽しい看護師さん達が居たなぁ、と思えば少しは憂鬱な気持ち(透析の有難みを実感できない上に時間がかかる)も軽減された。
道中一回目より意識がはっきりしてものが見えていたせいか、前回より乗り物酔いが激しくなった。
もう流れる天井を見ながら移動するロボコップは嫌だ。
次の移動からストレッチャーで運ばれるのを断ろうかな、と思った。
着いた透析室は一回目と同じだったが、今回の看護師さんたちは淡々と仕事をこなして普通に終わった。
声の聞き分けが完璧でないから、前回と同じ方たちなのか判別できなかった。
病棟の看護師のように毎日ローテーションで違う人に交代しているのかも知れない。
少し残念に思いながらも、透析はこれからも続くのだろうかと少し不安になったので、医師団の回診があった時に先生に聞いてみようと思いついた。
(この頃は考える時間が多い割に、あまり頭が回っていないように思う)
病室のベッドで横になっていると、携帯電話のバイブ音が耳に入った。
ベッド横のチェストの上に私のガラケーが置かれているのを見つけた。
いつから病室にあったのか全く気づかなかったが、友人が持ってきてくれたのだろう。
待ち受け画面にメールや電話のマークが見えたので、メール画面を開いた。
驚いたことに見慣れたメールの画面は無茶苦茶なことになっている。
表示された文面の文字フォントのサイズ(昔の印刷用語でいう級数)がガチャガチャで、読むのに難儀する。
知らないうちに設定か機能がおかしくなったのかと一瞬思ったが、おかしいのは私の眼か視神経だと気づく。
その証拠に文字列によく見えない空白があるので、目を近づけたりすると文字が現れる。
視覚の異変を感じていたが、脳がやられて識字障害?になっていたのか?
では文字本は読めるのか?
本を読む事は私の人生にとって大事な事なので、不安がよぎった。