ガンスリンガーガールトークショー | 原型師は燃えているか?

原型師は燃えているか?

見せてもらおうか そのオヤジの奮戦とやらを

明大で開催された、『ガンスリンガーガール』の相田裕氏と『失恋ショコラティエ』の水城せとな氏のトークショーを、大学の友人と共に観覧してきた。
明大漫研出身の相田氏の展示が明大米澤記念館で行われていたので、その連動企画だ。

大混雑して教室に入れないとイヤなので、2.5時間前に会場となる教室を事前偵察。
明大キャンパスに入るのは、30年近く前の宮崎駿講演会以来か(笑)。
既に10人程マンガを読みながら待っているが、大混雑にはならないと予想。
展示を見てから1.5時間前に会場前に陣取った結果、最前列センターというベストポジションで観覧。

私は『ガンスリンガーガール』の舞台がイタリアでなければ、おそらくのめり込む事はなかったと思う。
少なくとも舞台が日本やアメリカ大陸なら、確実に興味を惹かれなかった。
移民問題や民族問題のある欧州。
その中でも南北問題を抱えるイタリアという点にリアリティーを感じた。
東西問題を抱えるドイツでもリアリティーはあったろうが、ドイツではマニアが多過ぎて「厨臭く」なるのでw、イタリアという着眼点に「なかなかヤルナ!」と感じ入った訳だ。
欧州各国の軍や警察組織は複雑なのだが、その点もしっかり押さえているっぽいのが、また良かった。
(警察は専門ではないので詳しくはないが、概要くらいは把握していた)

ここまでやっているという事は、作者はイタリアに興味があったのではないか?と思っていた。
トークショーでは、この点にも触れていた。
何と、舞台がイタリアになった理由は、「特にない」という事だったw。
ガンスリ執筆直前に原画で参加したPCゲーム『BITTERSWEET FOOLS』の舞台がフィレンツェだったのも、何かガンスリに影響があるのでは?という質問にも、このような回答があった。
「制作スタッフから舞台をチェコかイタリアにしようと思うがどっちがいい?と聞かれたので、資料が多くて描きやすそうなイタリアの方がいいと答えたからイタリアになっただけ」
「当時は特にイタリアに思い入れがあった訳ではない」
「連載を始めて、改めてイタリアについて調べた」のだそうである。
うう~~ん、そうだったのか(笑)。

キャラに持たせる銃の選択基準は?という質問には「最初は詳しくなかったから、自分がカッコイイと思った銃にした」「舞台が欧州だから米国製は選ばないとか、その程度のルールで始めた」との事。
こちらはちょっと想像出来ていた。

私はヘンリエッタとジョゼのラストで、ヘンリエッタはジョゼを撃ったのか?を聞きたかったのだが・・・
二人のラストシーンで2コマ薬莢が描かれているが、これが9ミリパラとP90弾ではなく、P90弾のみだった事から、私はヘンリエッタはジョゼを撃てなかったのでは?と思った。
しかし、その後のコマではジョゼの眼帯が外れ、頭から流血している感じの絵が描かれているので、判断に迷う所ではあった。
私はジョゼを撃てなかったヘンリエッタに、人工的な愛の浅さを表現した(リコと対になる)ようにも感じた。
その点を相田氏に直接聞いてみたかったのだが、残念・・・

トークショー全体では、ガチでガンスリを愛している水城氏との会話が弾み、時間を30分以上オーバーする非常に楽しいものだった。