第三道は『舞』道対決。
いや、『舞踏会の招待状が届きました』と思ったら『武闘会』の招待状でしたって漫画ネタは良く聞くけど、『舞』対決で嬉々とする雨野うず女さん。
私は正直、彼女に底知れぬ恐ろしさを感じる。
いや、塾長や教頭からの77年前の『伝説』を聞いたからではない。
今、私の傍に居る彼女の雰囲気そのものに異質な何かを感じるのだ。
普段の彼女は二号生筆頭として慎ましやかで誠実な模範的な塾生だ。
そんな彼女がダンスにだけは情熱的になり、艶やかな肢体を披露する…。
そのギャップこそ、人間や妖怪に限らず、神々や魔王をも虜にする由縁だろう…。
正直、私はうず女さんが「自分を奪い合う為に47人の男達が血みどろになって争う様を、恍惚の表情で観ていた。」と聞いたが、私はあからさまなアバ●レを思い浮かべなかった。
私は政治家として人間の裏表も見てきたつもりだが…そう、水商売でもNo.1の女性はどこか素朴で普通っぽさを備えた女性だ。
そして…他人の家庭に火種を持ち込むのは、うず女さんの様な普通っぽい女性よりも、更に地味な…
「マツリ教官!マツリ教官!聞いてますか?」
「あぁ、すまない、樹里亜さん。
つい、ゆかりの事が心配でな…。」
「その、ゆかりさんが次に出てきたらどうしますか?って話なんです!」
「そ、そうだな…八連制覇もあと二道。
相手さんも出てくるメンバーが限られてくるな…。」
「バハムートが出て来たら私が行って塾長対決をするしかないわね。
ゆかりさんが出てきたら…。」
「あぁ、ゆかりは私に任せてくれ!あいつの目を醒ますのは私だ!」
「…と、なると私は残りのR-4の二人ってわけか…。いいぜ、スライム族の姫として恥じない戦いを見せてやるぜ!」
「…相手が出てきたわ…。
どうやら最終道は私とマツリさんの先生コンビのようね♪
樹里亜さん、うず女さんをしっかりサポートしてね!」
「嬉しい…。また由里亜ちゃんと一緒に踊れるみたいで…。」
「うず女先輩、私はお祖母様に似てますか?」
「いいえ、今の貴女の方が元気で活発で、すっごく可愛いわよ♪
私の舞いに…貴女ほど最適なパートナーは居ないわよ!
でも…。」
「でも?」
「由里亜ちゃんはもっと知的だったわ」
「放っといてください!馬鹿っぽいのも私の魅力です!」
「萌慎艶戯塾の筆頭コンビ誕生ね!」
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「吸血鬼のブラム、ぬりかべのダグラス参る!」
続