第一道3~妖!萌慎艶戯塾 | 最後の哲学者~SPA-kの不毛なる挑戦

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このブログは、私SPA-kが傾倒するギリシャ哲学によって、人生観と歴史観を独断で斬って行く哲学日誌です。
あなたの今日が価値ある一日でありますように

ヒラリヒラリとミラの突進をかわし、その勢いを利用して投げ技を披露する一反もめんのコトー。
ならば自分から攻撃するな、との湖々のアドバイスも虚しく、マットの中央でミラは寝技の餌食となった。

「やだぁ、くっつかないでよ!気持ち悪い~!痛い!痛い!」

「実の弟以外に触れられる覚悟もなく、八連制覇のリングに上がる方が悪いばい。
一反もめんは悪き人間をその布の身体で容赦なく絞め殺す妖。
その柔軟な身体からの投げ技と、絞め技の強さは、今の人間の肉体に活かされてるばい。」

「ミラちゃん、私と交代よ!
ここまで逃げてきて!」

「…駄目ですよ…湖々先輩…戦闘経験のない先輩をリングに上げるわけには…。」

「でもこのままじゃ…。」

「大丈夫よ、凄く苦しいし顔が近くて気持ち悪いけど、私は堪えて見せます!
この勝負は『華道』。私が15分堪え抜いて、湖々先輩が生け花を完成させたら、私達の勝ちですから…!
弟のアルはコーナーで何もしてないでしょ?
だから…私がこいつに勝てなくても、先輩が生け花は完成させたらそれは私達二人の勝利だから…。」

「ミラちゃん…。」

「全く…世話が焼ける…。ではワシ自ら美しい花を咲かすばい!アル殿!交代ばい。瀕死の姉ならば君も遅れを取らんはずばい…。」

「あ、あぁわかった。」

アルと交代したコトーは自陣コーナーに立ち、奇妙な呪文を唱えると…。

「ワシは一反もめん。
その名の通り、木綿の花
ファイル0371.jpg
や綿花の実

ファイル0372.jpg
をこの肉体に咲かして、学ランの上に飾るくらい簡単ばい。
さぁ、華道勝負も負けてないばい。
アル殿、早くその女に止めを…。
さぁ、早く…。」

「……。
駄目だ!満身創痍の姉さんは殴れない!
姉さん、後ろの女と代われ!」

「アル…。」

「弟くんがチャンスくれたのよ!早く戻ってあとは私に任せて!」

「でも…。」

「先輩命令よ!」

「はい!」
****
「姉さんを庇ってくれたことは感謝する。
だが、園芸部員のお前に私の拳が受けられるかー!」

軽く掌底突きをされただけで吹っ飛ぶ湖々。
だが、絶叫したのはアルだった。

「私は植物の妖マンドレイク。樫の木みたいな身体にするなんて簡単よ!この硬い身体を素手で殴ったから、アルカロイドの猛毒が傷口から侵入するわね」