続・それぞれの道~妖!萌慎艶戯塾 34話 | 最後の哲学者~SPA-kの不毛なる挑戦

最後の哲学者~SPA-kの不毛なる挑戦

このブログは、私SPA-kが傾倒するギリシャ哲学によって、人生観と歴史観を独断で斬って行く哲学日誌です。
あなたの今日が価値ある一日でありますように

うす暗い道を手元のランプの灯りを頼りに、「禁断の地」を目指した。

「ちょっと…治美先生、暗いのが怖いのは解るけど歩きにくいよ…。
もう少し距離置いて歩いてよ…。」

「ごめんなさい、どうしても自分の目で確かめたくて…。
でも独りだと怖いから教子先生に…。」

「あたしだって怖いわよ!
いくら柔道の経験があるからって、あたしもただの人間です!
私達じゃ心細いからかごめちゃんにも付いてきてもらったけど…。」

「教子師匠をお守りするのは弟子の私の使命です。
お呼びくださり光栄です。
しかし、一塾生の私までそのような秘密を知り得て大丈夫なのでしょうか?」

「いいのよ、貴女達も知ってて貰わないと、私達もどこまで罪のない塾生を守れるか解らないわ。
勿論、私達人間の教官じゃ戦闘では何の役にも立たないけど…知恵、道徳、規律。私達には私達の武器があるわ。」

「私は医者として、芸能の神アメノウズメが77年も閉じ込められてるかどうかを確認しないわけにはいかないわ!
その為に二人にボディーガードをお願いしちゃったけど…。」

「塾生の間にも『謎の二号生・雨野うず女』の噂は尽きることはありません。
勿論、私達もすへ子教頭が教官方に話された程度の知識ですが…。」

「かごめちゃんは樹里亜ちゃんに近い立ち位置だから、うず女ちゃんの良くない話もたくさん耳に入ってるでしょう?」

「はい…。
雨野うず女が淫欲の限りを尽くさねば、バハムートが萌慎艶戯塾を訪れることもなく、樹里亜さんのお婆様の命と代々伝わる秘宝を失うこともなかった…と言ってたことがありました。
表には出しませんでしたが、樹里亜さんの心中は雨野うず女に根深い恨みを抱いてるかと思います。」

「やっぱり樹里亜ちゃんを連れて来なくて正解ね!
だからといって、77年も監禁・幽閉するなんて…あの真理亜塾長の所業とは思えないわ。
でも、あのDVDを観てわかったわ。
『真理亜塾長はバハムートから今も雨野うず女ちゃんを守り続けている』
ってね。」

「そうよね…あのインテリぶった瞳の奥に、異常な執着心を感じたわ…。
真理亜塾長はバハムートがプレ(プチ)黙示録戦争を引き起こさない為に…って理由はわかるわ。
でも、その為に一人の塾生だけを非人道的に扱ったのなら医師として許せないわ!」

「しかし、うず女さんは未だに二号生の籍があり、二号生に筆頭が居ないのも、真理亜塾長の配慮と私は思います。」