助けて!治美先生~妖!萌慎艶戯塾 第27話 | 最後の哲学者~SPA-kの不毛なる挑戦

最後の哲学者~SPA-kの不毛なる挑戦

このブログは、私SPA-kが傾倒するギリシャ哲学によって、人生観と歴史観を独断で斬って行く哲学日誌です。
あなたの今日が価値ある一日でありますように

「な、何も人間の貴方が男子妖怪の集まる黄昏羅漢塾に入塾する必要がありません!
危険過ぎます!」

私は、山田さんと摩亜耶さんの決めたことに対して何を口出ししてるのだ?
いや、これは守護鳥ガーゴイルとしての防衛本能が私に働いているに違いない…。

「いいえ、僕は口先で摩亜耶を愛してるんじゃありません!摩亜耶と同じ苦労を味わいたいのです!

では…三好真理亜塾長…でしたね…。
私の黄昏羅漢塾への入塾条件は、羅漢塾の塾長から因幡アル君を経て預かったこのDVDを貴女に手渡すこと…。
確かにお渡ししましたので…これで失礼します。」

「萌慎艶戯塾塾長・三好真理亜。確かに受け取ったわ。
山田洋法くん、貴方のご武運を壁向こうからお祈りしてるわ。
美味しい蜂蜜をご馳走さま♪とても甘~い蜜だったわ…。
鳥羽かごめさん、彼を正門までお送りして!」

「私がですか!?」

「貴女以外誰が居るの?
ごめんなさい、私はこれからこのDVDを検証しなきゃいけないの。
羅漢塾の塾長が送り付けてきたものよ。
その危険性くらい一号生筆頭代理の貴女なら解るでしょ?
私は塾長として貴女達全ての塾生を守る義務があるの。」

「は、はい…。」

****
塾長室から中庭を通り正門へ。
先ほど来た道を折り返してるだけなのに、私の心臓は私の言うことを聞いてくれない…。
もう少し離れて歩かないと…。

「今日はありがとうございました!
話が聞けて良かったです。」

(『摩亜耶さんの』話が私から聞けたらそれは嬉しいでしょうね。)

「いえ…お役に立てたなら幸いです。」

(ち、違う…普段の私はこんな無愛想ではないのです。)

「鳥羽さんでしたね…。
僕だって本当は羅漢塾が怖いよ。
でも、仲介してくれたアル君や鳥羽さんの様な優しい妖怪に出会えて僕は幸運だよ。
向こうでの励みになる…。
また会えるよね?」

「摩亜耶さんの近況報告の為だけならお断りです!
正門はここを右に曲がった突き当たりに見えてますから案内はもういいでしょう!
私は保健室に行きます!
貴方を一目見て気を失った塾生が心配ですので!私も倒れてしまえば良かった!」

「あぁ、ここまでで大丈夫だよ…。ありがとう。じゃあ…。」
**保健室**

「先生、心臓の痛みと溢れる涙が、私の心とは違う言葉を言わせるのです!」

(治美)「なるほど…不治の病ってやつね。短期間にここまで重篤に拗らせるのはかなりレアね♪」続