続・教えて!すへ子教頭~妖!萌慎艶戯塾 第21話-Bパート | 最後の哲学者~SPA-kの不毛なる挑戦

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このブログは、私SPA-kが傾倒するギリシャ哲学によって、人生観と歴史観を独断で斬って行く哲学日誌です。
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すへ子教頭は77年前の真理亜塾長の勇姿を語り続けた。

どんなに出来の悪い塾生でも身を盾にして守り、どんなに恐ろしい強敵であれ、果敢に立ち向かう姿を熱弁した。

「大天使ガブリエルの力を解放しても倒せない『彼』に対して、13日目を迎えた真理亜塾長の疲労はピークに達してしました。
『彼』の披露も極限に達していましたが、最後の力を振り絞り、その巨大な口で真理亜塾長を丸ごと飲み込もうとしました。
殆どの塾生は二人の死闘に恐れおののき、ただ祈り続けるだけでしたが、勇気ある一人の塾生が、『彼』と真理亜塾長の間に割って入ったのです。
その少女は自分の一族に代々伝わる家宝を用いて、自分ごと『彼』を封印することを懇願しました。
私の力だけでは倒せない…。13夜に及ぶ死闘の末、その事を十分に悟った真理亜塾長は涙を堪え、彼女ごと封印したのです。
すると巨大な『彼』の足元から更に巨大な柱達がそびえ立ち、柱と柱の間からは彼と彼女を囲う様に壁をお作りになられたのです…。
そして現在に至るまで、萌慎艶戯塾の平和は守られているのであります…。
しかし、『壁の中』で『彼』は生き続けています。
よって、貴女達に限らず、如何なる理由があれ、萌慎艶戯塾の塾生達が壁を越えることは阻止しなければならないのです。」

「そ、それは…その怖さは十分に伝わりました。
ですが、その後、争いの原因を作ったアメノウズメさんは?」

「はい、二号生筆頭の『雨野ウズ女』は終始一貫して、自分は被害者で、『彼』や他の青年、少年から一方的に求愛されただけだと主張してました。しかし、その後の調べでウズ女から求婚の意を記し、それまでの婚前交渉の様子を描写した書簡が49通ぴったりと発見されたのです。」

「うわぁ、人間界でも滅多にいないアバ○レね。」

「うん、人間界ならワイドショーで二週間特集コースね。」

「ネットの掲示板なら『クソビ○チ!』て単語が乱舞しそうね」

「真実を知った真理亜塾長の怒りは凄まじく、ウズ女を殺しはせず、この塾のどこか、遥か遥か深~い場所に幽閉することを選んだです。」

「それって、まさか…。」

「はい、ウズ女は未だに生き続けております。
そして『壁』と一体化してしまった『彼』も、未だにウズ女を追い求めてやまないのです。」

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話を終えて自室に戻ったすへ子教頭を確認し、全員で治美先生の部屋に集まり、先ほどの話の考察と推測が始まった。