一番 センター 須永
二番 ライト 川中
三番 ファースト 加賀谷
四番 ピッチャー 真山
五番 ショート 玉野
六番 レフト 向井
七番 サード 井坂
八番 キャッチャー 真喜志
九番 セカンド 金城
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やった…。
本当にスタメンだ…!
試合当日に監督が外さないかヒヤヒヤしたけど、良かった…。
玉野君は五番で遊撃手。
攻守の要だ!同じ一年生で凄いな…。
「結局、俺達が押し退けた旧・二遊間コンビの須永、井坂両先輩は、怪我を抱えながらもポジションを変えてスタメン出場か…。
相変わらず層が薄いな…。」
二人組で柔軟体操をしながら、秋成は不満を述べた。
自分が五番を任されたことを気にするでもなく、僕たち以外の一年生の奮起が足りなかったことを述べた。
「でも、須永先輩は俊足を活かしてのセンター、井坂先輩は守備力を活かしてのサードだからね。
元のポジションより適性があるんじゃない?
僕と秋成がそのまま戦力になった証拠だよ。」
「相手は山大付属。
勝つには総力戦だな。
ベンチの小宮達も含めて全員の力が必要だ…。」
「慎太郎、玉野!さっき試合球を審判員に渡しに行った時に相手のマネージャーと話したんだけど、エースの都倉さんが先発だって。
相手は手を抜かずに全力でウチを捩じ伏せに来るわ!
気後れしないでね!」
東瀬はマネージャーの仕事のみを忠実に実行していた。
スタンドには早乙女や藤田さんも応援に来ていたが、東瀬は彼女達に遠くから手を振るだけだった。
秋成は僕とだけ淡々と準備運動をするだけだったが…。
「慎、見ろ!」
秋成が手を止めた。
食い入るように見詰める視線の先は、相手ピッチャーの都倉さんだ。
ウチの県でも有数の全国レベルの投手だ…。
「早いな…。」
と、本音を漏らしたのは三番打者の加賀谷先輩。秋成が入る前は、ウチの不動の四番だった攻撃の中心選手だ。
確かにミットに収まる時の音が違う!
僕が今まで見たどのストレートよりも早いよ!
「…これでストレートと使い分けられたら、手も足も出せず、相手の術中にハマりますね…。」
珍しく秋成から先輩の近付き、一緒に球筋を見ようとする。
いや、でもそれより…。
「え?今のがストレートじゃなかったんですか?」
「しっかり球を見ろ、金城!
あれは僅かにシュート回転してバットの芯をズラすツーシームだ!
見極めれたのは俺と玉野だけだったみたいだがな。」
続