「明日香さん、頼んだわよ!」
「やっと私の出番ね!
鳥かごに入れられた紅いオウムの姿で窮屈だったわ!
大丈夫♪契約分の仕事はするわ!」
「オウムに名前を付けて話しかけるとはどこまでも痛いオバサンね!
せっかくの式神を逃げるだけに使うなんてやっぱり素人だわ。
また同じ目に合うだけよ!今度こそ!
『見よう見まね・風花武装解除』」
再び私に向かって術を仕掛ける莉緒ちゃん。
でも、私の手に持たれた鳥かごの中の明日香さんは冷静に対処した。
「火の鳥に一度見た技は二度も通じません。
何度敗れても灰の中から復活する。
そして立ち上がる度に強くなるのが不死鳥と呼ばれる所以よ。
『オウム返しの輪唱(ソニックリフレクション)』
オウムの姿の明日香さんが羽を一度羽ばたかせただけで…。
「きゃあ!何で風が私の方に…。」
「ただのスカートめくりで『ごめんなさい』するなら今のうちです。
風はカマイタチとなり、本当にスカートを切り裂くわ。
最も、シトリーさんの本物の脱衣術はこんなものじゃないわ…。」
「貴女…ただのオウムじゃないわね?何者?」
「そうね…。
落ち着いた場所で…二人でゆっくり話しましょうか?」
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「ここは…?
私は確か、ダンス教室の茶谷小夜子に尾行されて、その仲間がアンドロマリウスで…。
地味なオバさんを懲らしめる為にシトリー様の術で脅かしてやろうと思ったら…。
そうだ!変なオウムに術を反射されて…。
ここは何処なんだ?
何でこんなに真っ暗なの?
ねえ、らい夢!近くに居るの?
アンディ!居るなら私を居場所を捕捉してよ!」
「…ちもんめ…♪」
「何よ、この声は?」
「…じゃわからん…♪」
「この歌声…あの時のオウム?」
「ダンダリオンがほしい♪」
「貴女は誰がほしいの?私?小夜子ちゃん?奈々子さん?真利子さん?
『相談』したんでしょう?」
「くっ!少しばかり幻術が使えるようね!
でも私は…。」
「いやね、『無間空間』って言ってよ♪時空を超越できる私にしか作れない世界。
それがソロモンNo.37『詩と科学の悪魔』フェネクスの能力よ!」
「さ、三十七位のフェネクス様!?
そんなぁ~!」
「お久しぶり、ダンダリオン。
と、言ってもこの仮想空間でしか、私は魔界の記憶もフェネクスの真の力も使えないけど…。」
「フェネクス様ほどの悪魔が何故?」
「まずは私とここでゲームを続けましょう。」続