「そう、まさかダリオちゃんがダンス教室で女王様の如く振る舞ってた莉緒ちゃんだったなんてね。
小夜子ちゃんは人間界での大切な仲間なの。
その小夜ちゃんのお友達をわざと泣かそうとするなんて、いくらダリオちゃんでも許さないわ!」
「稚拙な魔力と思ってたら、『不動の最下位』のアンディだったなんてお笑いよ。
それで貴女に何が出来るのかしら?」
「お高く止まってられるのも今のうちよ!
これで謎が解けたわ!
大瀬良先生は貴女と契約して、ダリオちゃんの変身能力を欲しがった。
陽菜ちゃんや他の生徒の涙でどうやってお金儲けしたかはまだわからないけど、自在に変身出来る貴女なら、お店に貴金属を持ち込んでも誤魔化せるもんね。
仮にも総統閣下にお仕えする、誇り高きソロモン72柱神の名を汚さないで!」
普段大人しい真利子さんが、こんなキツい口調で話すなんて…。
しかも総統閣下って、私の星明のことじゃない!
あいつ、やっぱり大物なんだね…みんな星明の為に働くこと、星明に忠誠を誓うことを誇らしげにしてるもん…。
「仮に私が大瀬良らい夢と契約を結んでたとしたらどうするのかしら?
正式に契約した悪魔と、人間に化けて能力が制限された悪魔との力の差を知らないわけないわよね?
まさかシトリー様と人間界で面識があったとは知らなかったけど、シトリー様に化けて裸にすることくらい出来るわ!私は『擬態の悪魔』ダンダリオンなんだから!」
うわぁ、開き直った!これじゃ擬態とかじゃなくてパクりの女王じゃない!
途端に小学生の莉緒ちゃんから紫の炎が立ち上ぼり、翼が生えた豹に変身する!これが『裸の悪魔』じゃなくて『脱衣の悪魔』のシトリーの真の姿!
星明を誘惑した色ボケ年増とは聞いてたけど、ホントに悪魔なんだね…。
…うん、でも…どうせ物真似だし…。
(奈々子、契約した悪魔か、変身して人間界に入りこんだ悪魔かを見抜く簡単な方法があります。)
「パシャ!」
スマホを取り出してシャッターを押す。
画像を確認すると…。
「大丈夫よ、真利子さん、小夜子ちゃん。
この子、写真に映ったわ。」
「なんだ、契約してないじゃん。
ダリオちゃんも人間に化けて生活してたんだぁ。」
「なぁ、段田…悪ぃこと言わねぇから直ぐバレる嘘止めろよ…友達無くすぞ…?『親が金持ち』とかフカシで寄ってくる友達なんて要らねぇだろ?」
「うるさい!確かに私はあいつと契約してないわ。『協力者』よ!」続