「明らかに怪しいわね…。」
「マリリンもそう思うだろ?
絶対に大瀬良先生と、段田の二人がグルになって、陽菜や他の生徒を泣かして、涙の染み込んだタオルを収集してたんだぜ!
早く追いかけよう。
マリリンは元探偵だから尾行はお手のものだろう?」
私達はビルを出て、夜の繁華街に繰り出そうとするダンス教室の先生と女子生徒を追いかけた。
「でも、涙の染み込んだタオルが何でお金に…?実際に大瀬良先生は外車を買ったり、臨時収入があったのは間違いないわね。」
「真利子さん、その辺りは北御門さんに調査して貰って、小夜子ちゃんのレッスン中に報告を受けたわ。」
「北御門さんは何て?」
「ティンブーや店長のご主人さんにも協力して貰って、交流のある同業者を調べたけど、怪しい貴金属の持ち込みはなかったって。」
「そっかぁ、やっぱりそんな直ぐに尻尾は見せないかぁ」
「ただ、店長の知り合いの店で、おかしな事が起きたって。」
「おかしな事?」
「うん、ある日、店長の知り合いのお店で、金とプラチナの買い取りをしたんだけど、買い取って金庫に入れてた金とプラチナが消えたんだって!」
「消えた?盗難か?」
「ううん。
消えたと思ったらまた現れて、それを繰り返したんだって!そして消えた時だけ金庫は水が滴ってたって。」
「それは魔力を使った幻術かもしれませんが、幻術は熟練の術士でも、1日もかけ続けられません。
それに、術士が対象から離れるほど困難になります。」
「キャッ、明日香さん。オウムの姿で急に喋らないでよ!」
「ごめんなさい、幻術は用高からいろいろと聞いてたので…。」
「そっかぁ、井成さんは狐の妖怪だもんね。
確かに魔法で簡単にお金が作れたら、もっと悪魔や妖怪が逮捕されて事件になってるわよね。」
「奈々子さん、静かに。
尾行中ですよ!」
「ごめんなさい!うわぁ、真利子さん探偵らしい~。」
「だから静かに!
私は『裏取引を看破する悪魔』アンドロマリウスです。
今は人間の姿ですが、それでもあのインストラクターと女児生徒が繋がってるかくらいわかります。
それに、もしも莉緒ちゃんがただの人間なら、余計にイ○コウは取り締まらないと…。あのインストラクターが生徒の親から支援受けながら、性癖がただのロリ○ンなら、私が撲殺してやるんだから!ロ○コンは死ね!」
「マリリン誰に言ってんの?」
「うるさいわね!魔技『邪眼の密約透視』」