瀬戸際の花嫁 5 | 最後の哲学者~SPA-kの不毛なる挑戦

最後の哲学者~SPA-kの不毛なる挑戦

このブログは、私SPA-kが傾倒するギリシャ哲学によって、人生観と歴史観を独断で斬って行く哲学日誌です。
あなたの今日が価値ある一日でありますように

「お電話ありがとうございます!
『乙女の味方』便利屋ブラウニーの安藤でございます。

…はい…あぁ、奈々子さんお久しぶりです。先日は…。
はい、はい…。
美夜ちゃん、小夜ちゃんじゃなくて私に?
はい、つまり、遺留品から持ち主をですね?出来ます。
盗賊特定より精度は落ちるかもしれませんが…。」

「星明ー!真利ちゃん出来る、大丈夫だってさー!」

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探偵の仕事を辞めてから3ヶ月。
小人妖精の茶谷美夜子、小夜子姉妹が経営する「便利屋ブラウニー」にお世話になり、電話受け付けにも慣れてきた。
そして今日初めて、私をご指名の仕事を承った。
依頼主はサタン様こと佐田星明様の恋人である落合奈々子様。
私、アンドロマリウスの遺失物捜索能力を利用した遺留品を持ち主に返す仕事だ。
きっとティンブーのお店でお客様の忘れ物か何かかな?

ホントに小さな仕事っぽいけど、それを断らないのが便利屋魂!
私は今度こそ、人間界で誰にも恥ずかしくない、自立した悪魔になります…。
****
「あの、それでその遺留品はそちらの手元にあるのですね?
はい、タロットカード?まぁ、それは珍しい。
え~!?ソロモンNo.18バティン様が今からこちらに来る~!?
ちょ、ちょっと待ってください!
そんな!そういう時は事前予約を…。こんな仕事モードの私なんて恥ずかしい…。

美夜ちゃん、小夜ちゃん!大変よ~バティン様がここに来るってさ~!」

「急過ぎるだろ!あの魔界一のオシドリ夫婦にて、大魔王サタン様の忠実なるイケメン秘書のバティン様がウチのオフィスに…!!
あぁ、小人妖精の私達を助ける妖精が欲しい…。」

バティン様は魔界でも女性悪魔の憧れの的(どっかのロリ○ンマルチーズとは見た目も中身も全然違うんだから!)だったが、妖精界にもその評判は届いてたみたいだ。

三人揃ってお洒落っ気のない自分達を恥ずかしいと思ってたら…

「コンコン」

と、一羽の烏がオフィスの窓を叩く。
私が窓を開けると、烏は中に入ると同時に長身の男性に変わった。

「…アンドロマリウスですね…。
人間の姿でも直ぐにわかりました。
このタロットの持ち主である、バラムの居場所を特定出来ますか?」

「バラム様が?は、はい…。力を感じます…。西に約300キロくらいに…。」

「300?海老名IC辺りか?では、行きますよ!」

私はお姫様抱っこされ、黒い翼が生えたバティン様に道案内をさせられた