前夜~セキララ 15 | 最後の哲学者~SPA-kの不毛なる挑戦

最後の哲学者~SPA-kの不毛なる挑戦

このブログは、私SPA-kが傾倒するギリシャ哲学によって、人生観と歴史観を独断で斬って行く哲学日誌です。
あなたの今日が価値ある一日でありますように

さてと…。
これは困ったわね…。
グラシャ=ラボラスと土曜日に会う約束したのはいいけど…。

「着ていく服が無い!!」

前日の夜に気付くなんて、どんだけ馬鹿のよ、私って!!
昨日の木曜日なら十分買いに行けたのに!

どうしよう?
グラシャ=ラボラスには、偉そうに「お洒落してきてね!ジャケット羽織るだけでいいから!」
って言ったのに、あいつが本気モードでお洒落したら、普段の私が太刀打ち出来るわけないじゃない!!
町行く人の失笑を買って、

「うわぁ、ジョニーデップ似のイケメンアラフォー男性
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が、何であんなジミーちゃん連れて罰ゲーム?
とか後ろ指刺されるに決まってるじゃない!
いや、後ろ指刺されるほどの前科は既にあるし、刺されるのは後ろ指じゃなくて、相手の奥さんからのリアル包丁…って、そうならない為にもあいつに会う必要があるんでしょ!(一人ツッコミ完了)
あ~、ホントどうしよう?
私、探偵の仕事はスーツ
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オンリーだし、休日は基本外に出ずに、家で一人桃鉄ばかりやってるし…、部屋では基本ジャージだし(涙)。

あぁ、今更ながら気付く自分の駄目っぷり…。
魔界でも散々自分の女子力の無さに嫌気がして飛び出したと言うのに、人間界でも同じ目に遭うなんて…。

でも…警察官の王明さんとは何度も一緒に過ごしたのにな…。そういえば王明さんの前では、「こうありたい」とか「こんな自分だと申し訳ない」なんて思った事なかったな…。ただ自分の仕事を認めてほしくて、認められた証として結ばれるのが嬉しかったし、幸せだった。
その幸せは切れたら前より欲しくなる麻薬の様に、いつしか私は、仕事をして認められるのではなく、認められる為に仕事して、その夜に結ばれたいが為に働く様になっていた。
彼の自宅やプライベートの携帯番号を知らないのも、彼の休日の過ごし方を疑わないわけじゃなかった。
ただ…今の関係が壊れるのが怖くて考えないようにしていたの。
グラシャ=ラボラス、貴方に再会してから気付くなんて、ホントに馬鹿でごめんね…。明日は精一杯可愛い私が会いに行くから許してね。

私は電話をかけた。数少ない友人「妖精ブラウニー」の茶谷美夜子ちゃんに明日のコーディネートを頼む為だ。彼女の仕事は「真夜中の便利屋」なのだ。
(続く)。