セキララ 9 | 最後の哲学者~SPA-kの不毛なる挑戦

最後の哲学者~SPA-kの不毛なる挑戦

このブログは、私SPA-kが傾倒するギリシャ哲学によって、人生観と歴史観を独断で斬って行く哲学日誌です。
あなたの今日が価値ある一日でありますように

…だから俺は反対したんだよ、アンドロマリウス…。

人間なんて生き物はお前の「正義」を全て受け入れてくれる奴ばかりじゃねぇ。

腐った連中が腐った社会を形成しやがる。
汚れるのは俺やゼパルの旦那だけで十分なんだ…。
二度と御子神みたいな子供を作らせないとロビン店長と誓ったはずなのに…。

ここでウエイトレスを続けて居れば、そんな屑野郎に騙されることもなかっただろうに…。
あの時、人間界に行きたがるお前の首根っこを掴んででも、人間界に送り出そうとする店長と殴りあいをしてでも止めるべきだったか?
人間界といっても、妖怪や妖精のコミュニティで細々とやっていくだろうと楽観した俺の間違いだったか…。

次期警察官僚にて既婚者?
しかも出世の足掛かりはアンドロマリウスの「能力」によるものだろう?

探偵として盗品を奪還したり、裏取引を看破するアンドロマリウスこと安藤真利子は、雇い主の能代王明にとって都合の良いことこの上なかっただろう。

今なら何故、ソロモン王がアンドロマリウスを序列最下位の72位に位置付けしたかわかる…。

「あらゆる不正を許さない」アンドロマリウスは、盗品奪還や裏取引を看破する契約を満了した後、契約者に対して

「悪魔である自分との契約も、不正の上に成立してるからお前を許さない」

と、自己の存在を根本から否定する矛盾した提示をして、最終的には契約者を葬るという逸話がある。
よってアンドロマリウスの召喚に成功する人間はいても、契約成立後に生き長らえた人間は皆無という。

俺はお前の不器用過ぎる正義感が人間界では諸刃の剣か?…と危惧していたが…「無自覚な不倫」なんざぁ「裏取引」そのものじゃねえか!
殺人の悪魔である俺でさえ神に祈りたくなるぜ…。
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女達の会話は案の定脱線し、俺や御子神との契約内容そっちのけで、真利子の恋物語に花を咲かせていた。

「王明さんは凄く素敵な男性です!
張り込みの時はパンを差し入れしてくれるし、ちょっと危ない潜入で怪我した時には絆創膏くれたし、無事に盗品奪還に成功した時はタクシー呼んでくれたのよ」

「真利子さん…それたぶんかなりの駄目男だよ…。
完全に真利子の働きを、自分の手柄にして出世してるじゃない!
ねぇ、そいつの休日とか家庭とか三年間全く疑わなかったの?」

「だって公安には守秘義務が…。」

『真利子さん、貴女バカですか(?_?)』

明日香、直球で書くの止めろ。