お前が誰かだと…?
北御門副店長の甥子を操り、余に難問を出してくる輩。
天界の者でもかなり上位のはずだ。
でなければ、いくら余が人間として制限されてるとはいえ、ここまで圧倒的に空間を支配するとは…。
問題を解く以外に脱出は不可能か?
いや、これは奈々子を返してもらうチャンス。
と、なれば…。
「来れ、ソロモンNo.…。」
『あ~それ反則!』
三人の女子高生が召喚を阻む。
ええい、名字が違うのに、何故、容姿と行動はそっくりなのだ!?
「そうだよ。これは君が解かないと。召喚は禁止。
でも偶然同じ空間に巻き込んじゃった姉さんは智恵を貸していいよ。
役に立たたなさそうだけど!」
「ちょっと、ウチ可愛い甥っ子はそんな憎まれ口叩かないわよ!
天使の方がよっぽど性悪じゃない!早く肉体を返しなさい!」
(瞳、興奮しちゃ駄目。
冷静に観察するのよ。
どっかにヒントはあるはずよ)
(おみねちゃん…。)
そうか…。憎まれ口を叩くような天界の住人。
ヒントが名前ならば …。
神尾仁。
獅子尾、牛尾、鷲尾。
そして三人とも「智子」の漢字で「ともこ」「さとこ」「あきこ」…。
そうか!貴様は牛と獅子と鷲。そして人間の合計4つの首を持つ天使!
そして9段階のうち、熾天使の次の地位を持つケルビム!
「わかったぞ!貴様は智天使ケルビム!
その名前の人間を集めたのも、謎解きを選択したのも貴様がケルビムであるが故だ。
しかもケルビムの仕事は下位天使に智恵を授けること!
余に対する淫魔の誘惑も貴様の差し金だな!」
「流石はサタンくん。でもそれは『役職』であって僕個人じゃない。50点だね。」
「ちょっといい加減にして!仁くんを返して!
勝手に仁くんの性格を操作しないで!
それに仁くんは男子校通いよ!
女子高生に知り合い居ないわよ!」
「ふ~ん、姉さんに『干渉』がかかり切らなかったのはその日本刀のおかげかな…?
因果律に問題ないつもりだったのに…しまった!」
「そうか。この不自然な現象は『運命操作』。甥子さんが共学校通いになったり、都合の良い名前の女子三人が友人であったり、これは天界において運命や因果律を操作出来る能力を持つ『蛇』に属する唯一の天使。
『神の毒』という名前を持つ天使サマエル!熾天使(セラフ)から降格したとは驚きだ!貴様はサマエルだ!」
と、余が叫んだ瞬間、四人の高校生はそれぞれ別の制服に変わった。
「大正解」