「嵐くん、相野家へようこそ!
君とこのような晩餐を開けて本当に嬉しく思うよ。
関西支社の非礼は専務の私から謝る。
本当に申し訳ない…。」
パパは嵐を甥っ子とは思えないくらい真摯な態度を取りました。
お母さんに公私とも尻に敷かれても、一切嫌な顔せずにいつもニコニコ笑顔で…。
無愛想で私を散々「都会モンは…。」って馬鹿にしてた誰かさんとは大違いだわ!
「嵐くん、お義姉様のことがあって祝う気持ちじゃないかもしれませんが…。」
そう、パパの誰に対しても優しいこの態度が理想の王子様だわ!
お母さんとのドライブも良かったけど、今度はパパと二人きり旅行行きたいな…。
「いいえ、お…僕はお世話になる身です。
『乾杯』は父さんも母さんも望んでるはずです。」
な、なによ…。あんたも悪く…ないわね、パパほどじゃないけどね。
「それでは、相野家の益々の繁栄に…。」
「乾杯!」
「天国の春人兄さんと静義姉さんに…。」
「乾杯!」
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「それでは愛する家族の自己紹介としまょう。
麗香!」
パパに指名され、ナイフとフォークを置いて気だるそうに椅子から立ち上がる麗香お姉さん。
「…相野麗香(あいのれいか)高校三年生…。るんと凛子と同じ高校の生徒会長やってま~す。それと長女だから当然、グループの後継者みたいです。
あぁ、私、男には興味ないから誘っても無駄よ♪君に可愛いガールフレンド居るなら紹介してね~。」
「次は私ね!相野凛子(りんこ)高校二年生。世界最強を目指して修行中ね!留学期間が長くて日本語と勉強は苦手てあるが、まぁ、気にするな♪私、強い男大好きね♪嵐、私より強くなったら婿にしてやるね!」
「…桜子とるんはもうご存知だよね。
じゃあ、次は僕。
相野鮎兎(あいのあゆと)。嵐くんのお父さんは僕の大学時代の先輩でもあった。
本当にそっくりに成長したね♪」
「先輩?父さんは確か…。」
「ええ、僕は経営学部で春人さんと静さんは農学部でした。
後に博士号を取るには…。」
「鮎兎!その話は後で。まだ二人居るでしょう。」
「あぁ、そうでしたね。
相野家の家族は以上ですが、我が相野邸には使用人も居ます。
寝泊まりは離れですが…。
君達、嵐くんに挨拶だ!」
「霧雨雪之介(きりさめゆきのすけ)調理担当の三年生です。育ち盛りの男の子は料理し甲斐があるね。」
「霧雨月之介(つきのすけ)二年生。庭師。可愛い鶏さんだね♪」続