訂正あり:哲学的断片 2 「神は死んだ」 | 最後の哲学者~SPA-kの不毛なる挑戦

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このブログは、私SPA-kが傾倒するギリシャ哲学によって、人生観と歴史観を独断で斬って行く哲学日誌です。
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「運良く縛り首にでもなりゃあ、悪い嚊(カカア)を持たずにすむよ」

byシェークスピア「十二夜」一幕五場より。
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はい、「哲学的断片」で序論の次にこの言葉を引用したキルケゴールです。

縛り首云々が「死」を、
運良くの「運」が「神」を啓示しての言葉なのは明白ですが、それより先にこの言葉が生まれる背景を確認しましょう。
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ご存知の通り、シェークスピア
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が広く賞賛されたのは、ゲーテと同じくキリスト教の影響を受けてないからです。
教会支配の強い中世では、出版される本の中でさえ、模範的な人間、倫理的な聖職者、完璧な神と天使しか登場しませんでした。
しかし、シェークスピアが描く「王の悲劇」は、人間の最も人間らしい面を生々しく描写しています。
だからこそ評価されるのです。
しかし、シェークスピアのインスピレーションの核は「ギリシャ神話」にあります。
擬人化された神々の人間臭い愛憎劇は、キリスト生誕より遥かに昔から語り継がれてきたのです。

因みに「ハリーポッター」はアイルランドを源とする「ケルト神話」を核としています。
登場するモンスターや魔法理論もケルト神話に基づいてます。
また、日本でも有名になった「ハロウィン」もケルト神話が源です。

つまり西洋人でさえ、生活様式を完全にキリスト教オンリーにすることは不可能だったのです。
全てが厳格に
「父と子と精霊の御名において」
とはいかず、多神教と牧歌的に共存してきた歴史なのです。

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そんな中、ヘーゲル
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はアリストテレスで終止符を迎えたギリシャ哲学と、デカルトにより目覚めカントで纏めた近代哲学を見事に分類統合に成功した最も偉大な哲学者の一人です。

しかし、キルケゴールはヘーゲル哲学の問題を指摘します。
それは「行き過ぎた客観性」です。

歴史や偉人の人生を「結果論」「後出しじゃんけん」的に評する気質があるのです。

今、生きている自分自身を圏外において渦中に飛び込まないと、痛烈に批判したのです。

ヘーゲルは恋愛結婚を奨励しましたが、それにより核家族化の加速と、一夫多妻を「悪の権化」とみなし、植民地支配に「近代化」の口実となります。

それらの批判が上記のシェークスピアの引用なのです(笑)