最終の21巻を読み終える時に私は何歳なんでしょう?と、自問自答しています(笑)。
この6巻はキルケゴール

が書いた著書「哲学的断片」と「危機」が収録されています。
その「哲学的断片」のサブタイトルがやたらに長く
「問題、永遠なるものについての意識にとって、歴史的な出発点はありうるのか?
いかにしてそのような出発点が、歴史的関心以上のものをもちうるか?
永遠の至福を、歴史的知識の上に築くことが出来るか?」
と、ここまでがサブタイトルなんです(笑)。
もうね、こんな書き方するから哲学は嫌悪されるし、ニーチェは哲学故に発狂死したなんて言われるんですよ(涙)。
ニーチェは従軍先で梅毒になって闘病の末に亡くなられたんですけどね。
難解な語りに入る前に、

ディカプリオの映画「仮面の男」です。
その中で一線を退いた銃士達は…。
「アトスは息子。
ポルトスは人生。
アラミスは信仰。
ダルタニアンは忠誠。
みんなが自分の命以上に大切にしてきたものなのです!」
と語るシーンがあります。
我が子への愛。
主君と職務への忠誠。
そして神への信仰。
これらは確かに命を賭ける価値がある。
だが、ポルトスの「人生」とは何だ?
自分の命以上に「人生」が大事って矛盾してないか?と、思いながら約16年。
漸くキルケゴールのおかげで結論が出そうです(笑)。
ポルトスは元海賊で怪力で豪放磊落な人柄です。酒に賭け事に売春婦。
彼にとって「人生を享楽(謳歌)すること」は命以上に大切ということなのです。
それを踏まえて、以下キルケゴールの原文です。
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私は自分の命なら賭けることも戯れることも出来る。
けれども他人の命でそれは出来ない。
私は自分の命を賭けることが出来る。
それは思想の為に出来る唯一のことである。
ところがこの私は思想を提供する為の学識など持っておらず、あるのは自分の命だけ。
だから私は難問の度に命を投げ出す。
そうすることにより、思想とのダンスは上手く進んでいく。
死に通ずるイデーこそは軽快なダンサーで私のパートナーだ。
しかし、人間みな私に取っては重過ぎる。
だから私はお願いする。誰も私にダンスを申し込まないでほしい。続