「ユダヤが天狗の起源か、プライドの高さが鼻につくユダヤ人は正真正銘『天狗』だけどな!ウチの建築資材の注文に外資系企業が絡むと、大抵はユダヤに行き着くんだよな!日本人は相手が欲しがったら安売りするが、中東の連中は相手が欲しがると値を吊り上げる!」
蔵間さんの話を聞いて不満を漏らし始めたのは鬼族にて建築の現場監督の鬼頭穂積さん。
鬼と河童は人間に虐げられ、狐と天狗は崇められたなんて妖怪四天王でもはっきり分かれているです。
(ていうか、一番の天狗はあのお方よね~。もう嫉妬深いし、ワガママだし、野菜食べないし、人間には勝手に試練を与えるし、面倒くさいことは部下に任せて天使遣いが荒いし…。)
(ウリエル!言葉が過ぎるです!)
「しかし、渡来ユダヤ人が義経のスポンサーというのは何ともファンタジーですね。第一に現代の日本においてもユダヤ教は広まってないんですよ?」
保育士にて河童の河野さんは、園児にお話しにくい教育上のことを考えてるのでしょうか?
「鞍馬山の天狗は山伏となり、富士山に代表される『山岳信仰』に姿を変えた、って説もあるさ。
そして牛若丸は『金売り吉次』という採掘した黄金を売って食料や馬や絹糸を買う商売人に育てられたそうだよ。
ユダヤの徴税や金貸しの名残りじゃないかな?
でもそれより、みんなが興味あるのは義経とユダヤだよね?」
うんうんと全員がうなずく。
歴史に詳しくなくても悲劇のヒーローは時代を越えて大衆を魅了するです。
「強さと美しさ…。
そして悲しき最期を迎える儚さ…。
義経とダビデ王はそっくりだよね…。
当時平家は中国との貿易で巨万の富を得た。
それは日本国に多大な繁栄をもたらしたが、同時に大きな災いも招いた。『不良外国人問題』さ。貿易の利益に目が眩んだ平家は事態を軽んじ、治安は悪化した。日本の民家に『鍵』や『かんぬき』をかけるようになったのはこの時代からさ。
繁栄と同時に国家の危機に立ち上がったのが関東武者の支持を得た源頼朝さ。義経のお兄さんね。
義経もユダヤの支援を受けて快進撃を続けた。
だがある事件が起きた。
義経が後白河法皇から勝手に官位を受け取ったんだ。」
「平家に勝利したんだから、天皇からご褒美貰って何が悪いの?」
「それは義経の言い分だね。
だが兄の頼朝はもう一手先を見てた。
それは平家の黒幕、いや源氏と平家の戦いの黒幕そのものが後白河法皇で、貿易の利益も受けてたからさ」