「は~い、男性陣の皆様ありがとうございました!
じゃ、次は私達ね。」
喫茶ロビンフッドで開催された四人の男性妖怪との合コン。
天使とも人間ともこのような席に参加したことがない私がまさか妖(あやし)の連中などと…。
し、しかし、守護天使として地上の生き物に癒しを与える使命があるとなれば拒絶は出来ないです。
「はい、鮎川沙代理(あゆかわさより)です。種族はマーメイドです。人間界の大学を出てからは暫くフリーターしてたけど、今はこの店のウェイトレスと、明日香姐さんとのユニット『Un★でっど』(アンデッド)のヴォーカルやってまーす!」
女性の中で最年少の沙代理さんは一番積極的に見えるです。
やはり、私生活の不安定さが、男性を求めてしまうのでしょうか?
『鳳明日香(おおとりあすか)です。筆談ですみません。
醜い声で皆様の耳を塞ぎたくありませんので。
ここでピアノ弾きをやってる不死鳥です。
私は悪魔らしいのですが、自覚はありません。』
最後のページに書かれた文字を見せると一斉に笑いが起きる。
その笑顔を見て明日香さんの顔から緊張が解けたように見えたです。
「次は私ね。今日はお誘いありがとうございました!宇都宮真樹。職業はこれでも刑事です。種族はティンカーベルで有名なニンフです。」
(ウリエル!?)
(仕方ないでしょう、天使なんて言えるわけないじゃん!ニンフにも変身出来るし、間違ってないじゃん!)
(ニンフの姿は副作用が酷いから人間の方が楽で好きです。
ニンフになると私は近眼が更に酷くなり、ウリエルは頭が緩くなるです。
これも秘密ですが)
「里見愛です。種族はニンフ。職業はナースです。今日も急患の為に遅れて…。」
最初の難関の自己紹介も何とか終わったです。
あとは話を合わせて、無難に終了すればいいですが…。
「宇都宮さん、刑事って拳銃持ってるの?手錠は?」
「刑事は普段は銃持ってないのよ。手錠の方は趣味で時々…。」
「何の趣味ですかー?」
「秘密で~す!」
「そこ教えて!いや、俺はリアルに『逮捕しちゃうぞ』ってやってほしいです。」
「おいおい、鬼頭。流石に直球過ぎるだろ!」
「俺達、鬼族は本来正直なんだよ。鬼の語源は『隠』という隠された醜い心が鬼になるって意味だ。鬼族の長たる者は心に溜め込むことなく、ストレートに感情を表現出来る者でないと務まらん!」
「先祖代々えっちぃだけだろ(笑)」