「近藤刑事…。
事後処理が大変でしょうが、何卒、姉のサポートを宜しくお願いします。」
「驚いてないって言えば嘘になるだろうけど、僕はこれでも『ユーレイ課』の刑事だからね。
『そっち側』と『こっち側』の辻褄合わせくらいお安い御用さ。」
「何から何まで本当にありがとうございます…。」
「それよりも、まさか宇都宮先輩が人間じゃなかったなんて~!!
ちくしょう、今日は飲むぞ!
佐田くんも付き合ってくれよ!
俺は絶対に警視庁に入りこんでる天使達に負けずにユーレイ課の課長になってやる!」
「…今夜は私が奢りますよ。
天使も悪魔もそして幽霊さえも…その魂に違いはないことを教えてくれたことに乾杯!」
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原宗時のオフィス
「さぞや僕を恨んでるでしょう?」
「どうして、そんな事を?
原さんは世界に一人ですわ。」
「しかし、私は虎徹の徐霊目的で貴女に近づき…。」
「…今朝もタロットをしましたわ。
私と原さんのことを占いました。

愚者が私。
暗示は旅立ち、冒険、高い理想に、そして『疑わない』。ですわ。

正義の逆位置が原さんでしたわ。
暗示は、決めかねる、優柔不断、判断ミス。それと…『二股』ですわ。
これの結果を見て我慢出来ず…。
「思いっきり疑ってるではありませんか(笑)?僕も自分と北御門さんのことを占いました。

吊るされた男、が僕です。忍耐、犠牲、人の為。そして『自分を抑える』

星の逆位置が北御門さんだ。暗示は、不信感、悲観的、訪れないチャンス、そして『友情の躓き』だ。」
沈黙する二人。
全てをさらけ出しても受け入れる覚悟はあった。
「私なんか素人より、本物の占い師様は流石ですわね…。
友情の躓きはつまり…。」
『愛情の始まり』
重ね合う口唇も、仮眠室での続きも、北御門瞳にとって全てが初めてであった。
「貴方は3000年近くも生きてるわけじゃないんでしょう?」
「ええ、『転生』を自覚したのは25の時です。私は人間ですよ。」
「約束通り、あの虎徹を買ってあげる♪浮気したら刺す時用に飼うわね♪」
完