『大魔王サタン!覚悟!』
「どれほどの者がこの謁見の間までたどり着いかと思えば…。
年端もいかぬ小娘ばかりとは、いささか拍子抜けだな…。」
(威勢良く啖呵を切るはずが、赤面する勇者)「地上を貴方の思い通りにさせませ…ん。
…虐げられた者達の…苦しみ…を、ちょ、ちょっと待ってください。タイム、タイムです!」
(作戦会議)
勇者「な、何あれ?サタンってあんないい男なの?聞いてないわよ~。」
魔法使い「倒すの?倒しちゃっていいの?」
戦士「勇者さま、容貌に惑わされてはいけません!
幻術の可能性もあります。
私達一行が今まで旅を続けて来たのは今日という日の為…。」
僧侶「確かにただ悪者だからと言って成敗して終わり、では根本的解決とは言えないです。魔王に生きて償いを求める可能性も考慮すべきかと思うです。」
勇者「それより私達で本当に勝てるの?リスクが高いことを避けるのも、世界の命運を託された者の使命じゃないの?」
魔法使い「和解の交渉の余地ありよね。まぁ、どちらかと言えば和解よりも和合の方が…。」
戦士「いけません!相手は大魔王です!先に倒してから…。」
魔法使い「うわぁ、倒れて動けない相手に…だなんて流石の戦士様は体育系ね。」
戦士「ち、違います!私が言いたいのは…。」
魔法使い「寧ろ動けなくされたいんでしょ?」
戦士「はい。やはり主導権は相手が…ち、違います!違います!私は戦闘での…。」
僧侶「神は無駄な血流すことを望んでいないです。
地上に愛と平和が溢れるなら、神は魔王をも許すはずです。」
魔法使い「え?この流れだと私以外は血を流しそうじゃない?
戦闘以外の経験値が…。」
僧侶「貴女の方が魔王らしいですー!神の御名において、いえ、私個人の理由でいつかお訪ね者の賞金首にしてやるです。」
勇者「ねぇ、戦闘以外の経験値がなかったら、何で血が流れるの?」
僧侶「そこに食い付くなですー!」
戦士「確かに、交渉が決裂してから戦闘に入るのも一つの策です。
しかし、サタンが乗ってくるなら条件を提示しなければ…。」
全員「条件かあ…。う~ん。」
(作戦会議終了)
全員『せ~の、大魔王サタンよ、私の部下にならないか?
さすれば世界の半分をお前に与えよう!』
(終わり)
キャスト
勇者…柳生恵里菜
魔法使い…島敦子
戦士…南部彩
僧侶…里見愛
大魔王サタン…ある雑貨屋のアルバイト店員