「こんにちは~!北条学園野球部ただ今到着で~す!」
「おう、立花くんに坂口くん!待ってたぜ!」
練習試合が朝から行われた為、祝勝会はお昼ご飯の時間に最適だった。
場所は北条学園からほどなく近い中華料理屋。
試合の後はいつもお世話になってる行きつけの店だ。
「今日はあの徳川実業相手だったんだろ?
この時間に来たってことはコールド負けじゃあなかったみたいだな?
九回持ったか?」
「はい、最後まで戦い抜きました!」
「ほう、そりゃ上出来だ。二点くらい取れたか?」
「さあて…試合の結果は…どうぞ、こっちです!」
坂口主将に呼ばれ、三人の違うユニフォームを着た球児が挨拶する。
「お話は聞いております。
春の選抜では、甲子園まで来てくださり、我が徳川実業の応援をありがとうございました!」
深々と店の店長に頭を下げる三人。それは徳川実業の牧野、千石、氏家の三人だった。
「大将、ウチが勝ったら店に甲子園で投げた牧野さんを連れて来てやるって言ったよね?
事情を話したら快く付いてきてくれましたよ!
大将は根っからの高校野球ファンだもんな!」
「お、おい、それじゃまさかホントに…。」
「ええ、7-5のサヨナラ勝ちで、北条学園が王者徳川実業を降しました!」
「ホントかよ!おい、母ちゃん!聞いたか?
北条が徳川に勝ったてよ!
今日はもう閉店だ!
明日も店閉めて夜通し飲むぞ!」
「ホッホッ、大将…。その勢いは彼らがホントに甲子園の土を踏んだ時に私と飲み明かそうではありませんか。」
「監督、勝因はなんだい?
そういや活きのいい一年が入ったって喜んでたなあ?」
「ええ、確かにその通りですが、彼らはきっかけを与えただけで、全員の勝利ですよ。
高坂くん、三好くん!店長にご挨拶を…。」
「…す、すみません…監督からのお呼びですので離してください!」
「高坂く~ん、絶対あたしの隣座ってね!一緒に唐揚げ食べよう?」
「こら、抜け駆け禁止よ!」
ファンクラブの女子達から両腕を掴まれてた高坂漣が、チャンスとばかりやっと開放されたと安堵する。
「姉ちゃん、俺も呼ばれたから行かないと、ケガなんて大丈夫だから!」
「秋彦、利き手が使えないと不便でしょう?
いつもみたいにお姉ちゃんが食べさせてあげるから~」
「い、いつも…!?」
「駄目よ柚子葉ちゃん、真理亜の言うこと全部真に受けちゃ」
勿論、聖バーバラの三人組も一緒だ