オーバーフェンス28試合編22 | 最後の哲学者~SPA-kの不毛なる挑戦

最後の哲学者~SPA-kの不毛なる挑戦

このブログは、私SPA-kが傾倒するギリシャ哲学によって、人生観と歴史観を独断で斬って行く哲学日誌です。
あなたの今日が価値ある一日でありますように

九回裏
二死一、二塁。

右打席に入った姉の真理亜。
緊張してないことを隠すのが彼女の最初の仕事だった。

(さあて…打てせて貰えるまではたどり着けたけど、どうしようかなー。
ぶっちゃけ、野球もソフトボールもまともにやった事ないのよね~。
格闘技なら先手必勝で何とかなるけど…。
来た球を打つって、相手の出方待つのは苦手なのよね~。)

セットポジションから投球フォームに入る牧野。
一球目にカーブを要求したのは捕手の千石だった。

(この姉さんの、腕の筋肉やふくらはぎの筋肉を見ればただ者じゃないことはわかる…。
しかもあの16番の姉なら、足腰の強さや筋力、走力は警戒しないと…。
パワーでストレートを運べるかもしれんが、素人に変化球打ちは無理だ…。)

一球目に鋭く曲がるカーブが決まってれば、三好真理亜がどんなに優れた運動神経を持っていようが、次に投げられるであろう、ストレートにも、スライダーにも対応出来なかっただろう。
しかし…。

『危ない!』

カーブがすっぽ抜け、緩い球が制服姿にヘルメットを被った真理亜の顔近くを掠める。

本来なら大きくのけ反るか、尻餅をついてしまう所だが、真理亜は冷静にしゃがみボールを見送った。

「大した反射神経だな。
だが、学校指定の革靴はやめた方がいいぜ?」

逸れたボールを受け取り、返球しながら真理亜に囁く千石。捕手特有の心理戦を既に仕掛けていた。

「それもそうね、ヘルメットは借りれても、誰かのスパイクを履くわけにいかないしね。」

タイムをかけ、革靴を脱ぎ、ソックスも脱ぎ裸足になる真理亜。

その仕草を食い入るように見つめる徳川実業ナイン。

(スゲー、は、裸足の女子!しかも聖バーバラの制服来た女子の裸足!
最初から裸足じゃなく、履いてたソックスを脱ぐ方が遥かにエロい!

千石の野郎、至近距離で見やがって!いいなあぁ、捕手は。
必ず後で滅する!)

by投手&内野手の気持ち

(うわぁ、あり得ない状況だけど、俺ら関係ねーし、遠いし…。
いいなあ、内野は)
by外野手の気持ち

「どうせなら、その制服も、ユニフォームに着替えたらどうだ?」

「う~ん、ここでの生着替は死人が出そうだし…。」

「ば、馬鹿、迷うトコ違うし!
そのスカートならスライディングしたら汚れるし、見えちまうぜ!」

(これでいい、女としての恥ずかしさが身体能力を半減させ…。)

「大丈夫よ、履いてないから♪」