序幕 自宅
(寝室で語る少年と少女。少女は少年が語る奇妙なお話に目を輝かせて聞きたがる。好奇心は未来を決定的にする)
少年
少女
「…凄い…、それ本当の話?」
「ええ、お嬢様と出会うより昔に、私が本当に体験したお話です。
月が綺麗な今夜は、子守歌の代わりに、このお話にしましょうか?」
「…うん…聞かせて…。」
二幕 森
(どれほど森をさまよっただろうか?それは最初から全てが仕組まれているようだ。いや、全てが『仕組まれていない』、を証明することも不可能だ。)
過去の少年
(歌唱)
何かに導かれ、森の中を歩いていた幼い僕は
不思議にもただ引き寄せられるままに
三幕 小屋
(自分を見つけてもらうこと。それが当たり前でないことを、どれほどの人間が知っているのだろう?)
少年
ピエロ
(歌唱)
古い小屋に着いた僕は、
ホコリにまみれた横たわるピエロに気を惹かれる
人形は悲しそうな…でも嬉しそうな顔して、゛屋敷に連れてって゛と…
涙を浮かべ僕に抱かれた
四幕 屋敷
(無人の屋敷に人気はなく、ただ上の階にぼんやりとした輝きがあるのを少年はみつける。『時』は相対的なものであると、彼は本能で悟った。)
少年
ピエロ
ドール
(歌唱)
階段を昇り抜け、光を放ち彼を待つ少女の人形と互いに見つめ合う
綺麗な夜だから…哀しい夜だから優しく笑って見守ってあげる
寂しい夜だから…最後の夜だからこれからも二人を離したりはしないから
月の光は彼らを…踊る彼らを映し出し、壁に映る姿は生まれ変わる前のままに
(暗転後)
五幕 月下
(『永遠なる一瞬』大抵の奇跡はこれで説明がつく)
貴族
貴婦人
(シルエットのみ)
少年
ピエロ
ドール
(歌唱)
(ピエロとドールの踊りと連動する貴族と貴婦人)
見つめ合う二人は゛最後の夜…゛と、つぶやいて
この夜が明けるまで熱い想いで踊る
綺麗な夜だから…哀しい夜だから泣かずに笑って見守ってあげる
寂しい夜だから…最後の夜だから…これからも二人を見守ってあげる
綺麗な夜だから…
綺麗な夜だから…哀しい夜だから…優しく笑って見守ってあげる
寂しい夜だから…最後の夜だからこれからも二人を離したりはしないから
忘れたりはしないから…
二人を忘れたりはしないから…
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はい、これはあのGacktさんがかつて所属してたバンドのマリスミゼルさんの曲を使用しました