モトサヤ 8 | 最後の哲学者~SPA-kの不毛なる挑戦

最後の哲学者~SPA-kの不毛なる挑戦

このブログは、私SPA-kが傾倒するギリシャ哲学によって、人生観と歴史観を独断で斬って行く哲学日誌です。
あなたの今日が価値ある一日でありますように

※ゼパルは姿を消しています。
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真壁あずさは行為の最中は徹底的に受け身だった。
積極的に彼を寝室に連れ込むからには、有閑マダムにありがちな(クライアントから何人もこの様な女性は別れさせてきたが…。)始終上になり、自己満足的に腰を振る女ではなかった。

これが、依頼人・畠山道長が人妻の真壁あずさと関係を断ち切れない理由か…?

だからこそ、僕の術が効果を発揮するはずだが…。

「う、あぅん…。」

「どうした…?身体の具合でも悪いのかい?」

「ち、違うの…。いつもならこんなに激しくされたら直ぐに絶頂が来るのに、今日は…。ううん、波があるのよ。たまにはこういう日も…ね。
わ、私はミッチー(彼の愛称)が私で気持ち良くなってくれたらそれでいいの…。ミッチーの満足が私の満足だから…。」

なるほど、これは意外と厄介かもしれません。
僕の『不感症にさせる術』はあくまで肉体的接触から快楽を奪うモノだから、彼女自身が妄想やイメージや精神的満足で頂点に導けるなら、この術は役に立たないな…。

「…ほら…じゃあたまにはフィニッシュはこっちで…。私、最後まで頑張るから…。
駄目…?」

「あぁ、頼むよ…。」

「私、ミッチーの為に勉強したんだよ…。」

…ただの受け身女性ではなく、尽くす術を熟知してるってわけですね。
…うん、確かに奉仕することに喜びを感じるタイプですね。
「うっ、ううん…!」

「あっ、あずさ…!」

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「ハァ、ハァ、たまにはいいな…。
これも…。」

「嬉しい…。ミッチーに気持ち良くなって貰えるのが最高に幸せだわ…。
私も同時だったから…。
こんな深い繋がりを味わせてくれてありがとう…。」

「おいおい、俺は何も…。」

「ううん、ミッチーは私に女の喜びを思い出させてくれたわ…。」

やはり…!真壁あずさは下半身に物理的接触が無い口技での交わりでも、脳内イメージだけで絶頂を迎えた。
う~む、作戦失敗どころか状況は悪化したようですね…。
これは長期戦か?

「なぁ、あずさ。」
「なあに?」

ベットで恋人の様に語る二人。
息子の一樹くんが帰宅する直前に身仕度を整えて、何事もなく、「先生が早く到着した。」と言うのでしょうね。

「お前はどうして俺に『彼女居るの?』と一度も聞かないんだ?」

「そんなの…今の私達に関係ないじゃない!」

「もし居たとしたら?」

「…お墓が一つ増えてたかもね♪」